第35話《隻竜》散る、その先に見た世界
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んな、霧島弾、河村亜利沙、ギルド《リトルギガント》が目の前にいた。それを見た瞬間、本当に死んでしまったのかとライリュウの頭はパニックに陥った。その様子を見たリーダーの翼はライリュウよりも少し高い身長を利用して、彼の頭をくしゃくしゃに掻き回した。
「お前はまだ死んでない。ここがちょっと特殊なだけだ」
ライリュウの心の中を見透かしたかのような彼の言葉は、ライリュウを黙らせた。
死んでないーーー確かに心臓を貫かれたはずだ。それなのに生きている。どれだけHPが多く残っていても、心臓や頭を貫かれたら絶対に死ぬ。そこを突けば、まさしく必殺の一撃になる。
「神鳴・・・いや、竜。お前、蘇生アイテム持ってただろ?効果はどれくらいだ」
「使用対象の死後10秒以内・・・つーか、お前らよく知ってんな」
「ここから竜くんと未来ちゃんをずっと見てたからね」
弾の質問にライリュウがそのような反応をしたので、亜利沙が答える。この虚無の空間からずっと見ていた、だったらここはこの世とあの世の境目なのだろうか。ライリュウが生きているのなら、《リトルギガント》は生者と死者、どちらなのだろうか。
「蘇生アイテムで生き返れって言いてーんなら無駄だぞ?自分に使うなら最低でも身体が消える前に使わないと間に合わないし、そもそも蘇生アイテム《聖夜の輝石》は結晶だった。オレが死んだ場所は結晶は使えないエリアだった。おまけにそれを持ってるのは未来だ」
昨年のクリスマスイブ行われたイベントクエストは、そこで戦うイベントボスを倒せば蘇生アイテム《聖夜の輝石》を入手出来るというイベントだった。だがそのアイテムは自分に使うなら身体が消える前に使わないといけない物だった。それが出来てもライリュウの死に場所は《結晶無効エリア》になっていたボス部屋、結晶アイテムだった《聖夜の輝石》を使う事は出来ない。そもそも《聖夜の輝石》を持っているのは彼ではなく妹のミラこと未来である。絶対に蘇生は叶わない、完全にそう思っていたーーー
「キリトって奴が持ってるぜ?」
「せや」
「はぁぁっ!?」
妹が持っている物をキリトが所持している。それを翼とかんなからしれっとした顔で知らされたライリュウは大声をあげて驚いてしまった。
「ボス戦の前に未来ちゃんがキリトって人に渡してたの」
「未来の奴いつの間に・・・」
「さて、そろそろ武器を取れ。向こうの時間じゃ3秒経ってる」
「まだ3秒なのか!?もう2分くらいは喋ってる感覚なんだけど!!」
亜利沙が簡単に理由を話して弾が早く戦闘準備は済ませろ急かす。今自分たちがいる世界は時間の流れがおかしいのか、そう思いながらもシステムウィンドウを操作して剣を装備する。システムウィンドウが出せるのだから、
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