第35話《隻竜》散る、その先に見た世界
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て言ってればよかったなぁ・・・)
ただいまーーーそう花畑の街に建っている自宅で待っている妹を思い浮かべて、してもどうにもならない後悔をしている。
(絶対帰るって未来と約束したのに、絶対SAOを終わらせるって翼たちと約束したのに・・・)
必ず帰って来ると妹と交わした約束、必ずこの世界を滅ぼし、現実世界に帰還すると今は亡き親友たちと交わした約束をーーー破ってしまった。
(最後にこれだけ言おう。未来・・・)
命のゲージが完全に消える前に、妹にこれだけは伝えたい。それはーーー
(オレをお前の兄貴にしてくれて・・・ありがとう)
この瞬間を最期に命のゲージが完全に消え、《隻腕のドラゴン》は光の破片となりーーー《ソードアート・オンライン》から消え去った。
******
ここに、一人の少年が横たわっていた。その少年は不意に目を覚まし、周りを見渡した。そこは何もない世界。前後左右、360度真っ白に染まった虚無の空間。そこにこの少年は横たわっていた。だが、彼はすでに存在しない人間のはずだ。
少しボサボサで男としては長めの黒髪、額に青いバンダナを巻き、赤いインナーシャツの上にすみれ色の忍者装束、さらにその上に白いマントを纏った少年ーーー
「ここ・・・どこだ?オレ、確か茅場に刺されて死んだはずじゃ・・・」
彼の名は、ライリュウ。つい先ほど茅場晶彦に心臓を貫かれて、死亡した《隻腕のドラゴン》である。
何故死亡した彼がこんな訳も分からない世界にいるのか知る者はいない。そこでライリュウが行き着いた結論はーーー
「そうか、ここがあの世か」
死者の魂が行き着く終着駅、あの世。そう結論付けたのだ。「だったら天国かな?地獄かな?」などと誰もいないのに冗談めいたテンションで笑い飛ばす。だが次第にライリュウの顔に影が射した。
「キリト、後は任せた・・・」
自分を殺した茅場の次の対戦相手ーーー殺し合いの相手は親友。茅場晶彦は最後には《二刀流》と戦う事を望んでいた。あいつなら勝てるだろうーーーそう信じて呟いた。
「本当にそれでいいのか?」
「アンタ、自分が失敗しても他人に任せるタマやないやろ?」
「!?」
自分以外に誰もいない世界で、自分以外の誰かの声が耳に入った。それも、とても聞き覚えのある、懐かしい声が。ライリュウは声が聞こえた方向を恐る恐る振り向くとーーー金髪の白い侍の少年と、赤いチャイナドレスの少女、青い髪のアニメキャラの服装をしている少年、そしてすみれ色のくの一装束を着た少女が立っていた。
「翼!?弾!?かんな!?・・・亜利沙まで!?」
かつて殺人ギルド《笑う棺桶》に殺害されたライリュウの友、明石翼、雨宮か
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