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駄目親父としっかり娘の珍道中
第79話 似たような人が揃うと酷く面倒臭い
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ルを降ろし空いた手で白夜を持つ。

「ところで、貴方は何と言う名なのですか?」
「あぁ、何だよ疑似人格の癖に記憶は共有してねぇのか? 銀時だよ。坂田銀時」
「承知しました。では”金時様”、ご指示をお願いします」
「おい、今明らかに間違えたよな? 金時じゃねぇ、銀時だ! それから、そんな様付けなんてすんな! 痒くなる」
「でしたら何と呼べば宜しいのですか?」
「いつも通りで良いよ」
「いつも通りとは?」

 本当に面倒くさい奴だなぁ。
 頭を掻きむしりながら銀時はそう思い、深くため息をつきながらシュテルを見下ろす。

「普通にお父さんとかで良いよ。お前は覚えてないだろうが一応前の人格……要するにお前の育て親みてぇなもんだからよぉ」
「承知しました。では……お、お父………様………で宜しい………ですか?」

 さっきの機械的な話し方とは打って変わり、何故か頬を赤らめ、少し恥ずかしそうに呼んできた。
 え? 何恥ずかしがってんのこの子。其処まで面倒くさい子だったっけ?
 心底このシュテルと言う人格の子に一抹の不安、と言うか不安ばっかりが募る思いであった。

「まぁ良いや。とにかくシュテル。お前は出来る限りで良い。援護してくれや。情けねぇ話だが片手じゃあいつとやりあうのはちとキツイんでな」
「お任せ下さいお……父様。私の出来る限りで支援させて頂きます」
「あぁ、はいはい……」

 もうそんなんで良いや。半ば無理やり妥協した感じで銀時は桜月の前に再度立つ。

「話は終わったか? 余りにも突然だったんでなぁ。一応空気は読んで黙っててやったぜ」
「有難うよ。ついでに言うがそのまま消えてくれれば言う事なかったんだがなぁ」
「そりゃ無理な相談だ。てめぇ等をぶち殺してこれから江戸の人間一人残らず食らうつもりだからな」
「現在の江戸の人口は約300万人(適当)程います。それらを食い尽くすとなれば一人約5〜70人(憶測)食らったとしてその日数はおよそ……」
「要らん計算すな! お前は戦闘にだけ集中しろ!」
「承知しました」

 すぐ横で面倒な事を言いそうになったシュテルに釘を刺す。でないと一々ツッコミを入れなければならなくなってしまう事になる。流石に真剣バトルの最中にそれは心底応えるので遠慮したい処だった。

「そんじゃ戦闘再開と行くかぁ白夜叉ぁ!」
「人の腕切り落としといて意気揚々としてんじゃねぇよこのサイコパス野郎がぁぁぁ!」

 互いに啖呵を切り合い、再度ぶつかり合う。やはり桜月は強い。ようやく重荷を降ろしたとは言え今度は片腕の状態なので中々攻勢に撃って出れない。下手に攻撃に転ずれば返し刀で今度こそ致命的な一撃を貰う危険すらある。
 かと言ってこれ以上戦闘を長引かせる訳にもいかない。今の銀時は時間制限
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