第79話 似たような人が揃うと酷く面倒臭い
[3/9]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
ばす。
遥か頭上で円を描きながら銀時の遠く後方に突き刺さる白夜。完全に丸腰の状態になった銀時に向かい、桜月の無慈悲な斬撃が襲い掛かる。
「拍子抜けだぞ白夜叉!」
これで仕舞いだと言わんばかりに桜月が叫ぶ。一瞬、目の前が閃光で視界を覆う。
視力が戻った時には桜月は遠くの場所に立っていた。どうやら先の一瞬で咄嗟に後方へと飛び退いたのだろう。
頭で考えての行動ではない。咄嗟に本能的に体がそう動いたのだ。
「はぁ……はぁ……残念だったな。どうやらまだまだ終わらないらしいぜ」
「それはどうかな?」
完全に息切れ状態の銀時に対し、桜月は余裕の笑みを浮かべている。一体何がおかしいのか。
理由を考えてる暇はない。今はこうして白夜の近くにたどり着く事が出来たのだ。後は再び白夜を手に取り戦いを再開すればそれで―――
「……うそ……だろ!?」
銀時は今、自分の置かれている状況を見て愕然とした。無いのだ。
さっきまで白夜を振るっていた筈の腕が、肩からバッサリと切り落とされて無くなってしまっていたのだ。
先の斬撃をどうにかかわし、致命傷は免れる事が出来た。だが、その代償として銀時は唯一戦う手段であった腕を失ってしまったのだ。
こうなってしまえば残る手段は今なのはを抱えている左腕を使うしかない。しかし、そうすればなのはは野晒しになる。無抵抗な得物とかしたこの少女を見て、桜月が何もしない筈がない。確実にその命を摘み取りに来るに決まっている。
だが、右腕を失った今、刀を握れるのは左腕しかない。
「さぁて困ったぞぉ。ガキを捨てるか自分自身を捨てるか? どっちを選ぶんだぁ?」
「野郎……良い性格してんじゃねぇか」
銀時の額に青筋が浮かび上がる。明らかに桜月はこの後の銀時の行動次第で動きを変えて来る。
銀時を殺すか? それともなのはを殺すか?
片腕しかない銀時では桜月からなのはを守れるかどうか怪しい所がある。
しかも、今の桜月ならばなのはを降ろして白夜を手に取るまでの間にどちらかを仕留めるのは容易い。戦闘力のある銀時は面倒かもしれないが意識の未だに戻っていないなのはを仕留めるのは容易い筈。
奴はそれを狙っているに違いない。
全くいけ好かない奴だ。正に悪の権化に相応しいと言えるだろう。
(どうする? 腕をやられちまって二進も三進もいかねぇたぁこの事だぜ。こいつを降ろして戦闘をするこたぁ出来る。だがそうなればこいつは真っ先に殺される。それに、この状況であんな化け物を倒せるか? 今でも亡くなった腕んとこから血が出て来てて頭がフラフラしやがる。くそっ! どうすりゃ良い。どうすりゃ―――)
「方法はあります」
「だからその方法を今必至に探してて………ゑ?」
突然声がした。したの
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ