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駄目親父としっかり娘の珍道中
第79話 似たような人が揃うと酷く面倒臭い
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れだったらさっきの化け物刀の時のほうが楽な相手だったぜ」
「そんなに楽したいんだったらさっさと身軽になったらどうだ? そんな重荷を抱え込んだ状態じゃまともに戦えないだろうが?」
「るせぇ! てめぇごときにゃ丁度良いハンデにならぁ!」

 更に銀時を苦戦させていたのは両手が使えない事もそうだった。
 先ほど助け出したなのはだったが、未だに意識が戻らず眠ったままの状態になっている。こんな状態のなのはをその場に放置する事はとても出来ない。危険すぎるからだ。
 だが、その為に銀時は両手が使えず満足に動き回る事も出来ない苦しい条件の中で戦う事を強いられていた。
 襲い掛かる無数の剣戟を片手でかわし続けなければならない。一撃一撃を刀を使って弾く度に骨が震え、筋肉の繊維一本一本が限界まで引っ張られる感覚を覚える。腕には血管が浮き出ており、相当なまでの力が込められているのが見て取れる。
 だが、そんな戦い方をしていればいずれは限界が来てしまうのは明白の事であった。

「暫く見ない内に面倒な奴になったな白夜叉。昔のお前ならそんな重荷をわざわざしょい込む事などなかったのになぁ」
「へん、てめぇみてぇな無機物と一緒にするな! 人間年とりゃしょい込む物も増えちまうもんなんだよ。特に親父もになりゃぁ尚の事だからなぁ」
「笑わせてくれる。かつて攘夷戦争で多くの天人を葬って来た悪鬼が父親だと? その血で汚れた手で子を育てると言うのか? そんなバカげた話を聞けば地獄の鬼も腹を抱えて笑うわ」

 ゲラゲラと笑いながらも桜月から繰り出される剣戟は凄まじかった。
 当の持ち主である岡田の体を無理やり動かしているせいからなのか、人の限界のそれを凌駕した動きで攻めて来ている。その動きは人や獣の類のそれとは全く異なる動きであった。
 まるで命に対する配慮が見受けられないのだ。ただ目の前の相手を切り刻む。それだけしか頭にない考えの戦い方に見える。
 だが、命がある者ならばそんな戦い方をする中でも自分自身へと命の配慮がある。そうしなければ戦いの最中に命を落としてしまうからだ。だが、今目の前でこうして戦っているこいつにはそう言った配慮が一切ない。故に腕が折れようが足の筋肉が断裂しようがお構いなしに攻めて来る。恐らく、こいつの腕を斬った所で無駄であろう。こいつの本体は人間の肉体ではない。刀自身なのだから。
 こいつの暴走を止める手立ては刀を破壊し二度と復活出来ないようにする他ない。
 だが、それが果たして出来るのか?
 俺に、そしてこの白夜に。果たしてあのおぞましい妖刀を破壊する事が出来るのだろうか?

「づっ!!」

 ふと、頭の中で不安が渦を巻いていたが為に銀時の防御の手が鈍った。その隙をついてか桜月の下から袈裟掛けに放った一撃が銀時の手にあった白夜を跳ね飛
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