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英雄伝説〜運命が改変された少年の行く道〜(閃T篇)
第129話
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黒パン……固すぎないか……?」
「あ、あはは……もうちょっとハーブを効かせて欲しいかも……」
呆れた様子でそれぞれ文句を言うアリサとマキアスに苦笑したエマは冷や汗をかいて遠回しに目の前の料理に対して苦言した。
「―――正直、あり得んな。」
「リベール軍だと、これとは比べ物にならないくらいのご飯が出たよ。」
ユーシスとエヴリーヌもそれぞれ呆れた表情で言った。
「噂には聞いてましたけど……何というか、噂通りですね。」
リィンは疲れた表情で感想を言い
「ふむ、ゼンダー門の食堂は悪くない味だったはずだが……」
「もう少し何とかしてもバチは当たらぬのでは……?」
ガイウスは目を丸くし、ラウラは呆れた表情で指摘した。
「去年、トワたちと一緒に来た時、振舞われたメニューと同じだな。相変わらずの味で懐かしいぜ。」
「あはは……僕も父さんに連れられてここで食べた時はビックリしたよ。」
一方クロウとエリオットはそれぞれ苦笑しながら食事していた。
「んー、そんなにマズイかなぁ?」
リィン達の感想を聞いていたミリアムは首を傾げ
「なんか昔を思い出すわね〜。」
「チーズとリンゴがついてるだけマシだと思う。」
サラ教官やフィーの感想を聞いていたリィン達は冷や汗をかいた。
「軍の食事は基本的に保存が利くものを食材とする。ここで使われているものはどれも備蓄がしやすいものだ。―――いざ戦争が起きた時にも必ず供することができるような。」
「それは……」
「……なるほど。」
「いざという時、士気が下がらぬよう普段から粗食しているわけですか。」
ナイトハルト少佐の説明を聞いたユーシスやガイウス、リィンは仲間達と共に表情を引き締めた。
「まあ、さすがに毎日ではないが。だが――――この食事はメンフィルが現れるまでは大陸最強と謳われ、そして再び”大陸最強”の座を取り戻そうとする帝国正規軍の”在り方”を象徴しているといえる。是非はともかく、兵士の一人一人が『常在戦場』の意識を持つ意味で。」
「じょ、常在戦場……」
「常に戦場に在るつもりで気を引き締めるか……」
ナイトハルト少佐の説明を聞いたマキアスは驚き、ラウラは真剣な表情になった。
「ま、精神論みたいでアレだけど知っておいて損はしないと思うわよ。ちなみに領邦軍の食事メニューは結構イケてるものが多いのよね〜。いざ戦争とかになった場合、ちょっと心配になるくらいだけど。」
「フン……」
「ま、食事が美味い軍隊が必ずしも弱いとは限らないけどな。」
サラ教官の話を聞いたユーシスは鼻を鳴らし、クロウは苦笑した。
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