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Dies irae~Apocalypsis serpens~(旧:影は黄金の腹心で水銀の親友)
第二十話 立場と名とその意味
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―――夜・学校―――
残る二つの内の一つである学校は昼に比べて静けさを増しており、その静けさはまるでこれから起こる戦の前触れのように感じ取れた。
「こちらとしてはこのまま夜風に吹かれていたかったんだけどな。良く見つけれたね。ヴァレリア」
「貴方が気配を隠していた時点で私は此処に来ると確信していましたよ。貴方は他者を観察し、己にとって興味が湧く存在ならば自分から近づく。なら次の戦場となりやすく教会にもそう遠くない此処に来る筈だと、そう予測できましたから」
屋上のフェンスの上に乗って風に吹かれているアルフレートは落ち着いた様子でヴァレリアを見下ろす。
「蓮君は?君たちは同盟を結んだんだと思ったんだけど?」
「相変わらず目聡いですね。ええ、その通りです。ですが我々の目的がテレジアの救出であり、その為の一時的な同盟である以上、彼と共に連携して戦うことなど期待できません。寧ろ互いに足を引っ張ってしまうだけです」
「成る程、確かに背中を預けれるような関係性ではないだろうしね。となると蓮君はタワーの方かな?それともテレジアちゃんを救うために教会の方に行ったのかい?」
「あなたに答える義務はないでしょう?」
「そうだね、無駄話も終わりにしようか」
そういって互いに構えを取る。
影
(
・
)
がアルフレートの周りに漂い、そしてヴァレリアに向かい刺し殺そうとした。
「『死を恐れることは、自分が賢くもないのに賢いと思うことと同じである』。貴様が私に与えた際にいった言葉だ。己の迂闊さを呪うがいい」
そういってアルフレートの後ろに現れたクラウディウス。そして、そのまま術式を放ちアルフレートを拘束する。束縛した光る鎖のようにも見える拘束術式によって格上であるはずのアルフレート動きを完全に止めた。
「……なるほど。ただの拘束術式じゃないね。己の命を対価に術式を強化させているのか……ああ、確かに君を創るときに用意した元はそんな言葉も言っていたな。で、意味を理解した上で使ってるんだろうけどこれから如何する気?」
「まずは貴方を斃させてもらいます。我々は最低でも二人斃さねばならない。内一人を今この場で拘束できているのならば終わらせるべきでしょう?」
そういってアルフレートを斃さんと構えるヴァレリア。しかし、捕まりながらも悠然とした雰囲気のままに彼は言った。
「ならば無意味だな。此処がどこか分かっているか?未だに開いていないスワスチカの一つだ。俺が此処に居る時点でヴァレリア、君は気付くべきだ。あの騎士がこの場を黙って見逃すと思うか?」
「確かに本来ならばこのような反逆行為を彼らは特にザミエル卿は見逃しはしないでしょう。ですが彼らは今、教会に居るはずです。そして藤井さんが彼らの相手をしていることでし
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