第3章 リーザス陥落
第88話 奥義
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、何かに抱かれている様に感じられた。それが――彼である? と何処かで理解したらしく、頬を知らず知らずの内に紅潮させてしまうフェリスだった。
そして、各々が、距離を縮めていく。勝利した――英雄の傍に。
そんな中で1人だけは、毛色が違っていた。
「はいはーい。そう物欲しそうにしないの、あんた達。それに、志津香〜? 勝利の英雄さんを、皆の王子様をいつまでも、独り占めなんて、ずるいんじゃない? 皆だって、頑張ったんだしー、ちゃ〜んと代わってあげなさいよ? ここは公平に、って事で 10分で交代ね。その膝枕」
ロゼが、ぱんぱん、と手を叩きながら 歩いてくる。
この修羅の場に堂々と軽口を言いながら来られるのは 流石だ……と思えるが、そこはロゼだ。負傷事態も殆どしていない。……本当に危なかった時は殆ど 悪魔のダ・ゲイルがかばってくれたからだ。そして、ロゼも今回ばかりは軽口を少なく回復に努めていた。アイテムを併用し、更に自分自身が使える神魔法。鬼に金棒とはこの事だ。……後々が怖いなぁ、と思ってしまう人も 今回はおらず ただ 感謝をする人が多かった。
「っっ! な、なにをっっ!!」
志津香は慌てていたが、ロゼのその言葉に乗るのは多数。
「はいはーーい! トマト、立候補ですかねっ! ほら、ランさんもいくですよー! 今回は、ノーサイドってヤツですかねー! 一緒に行くですかねー! 志津香さんにだけリードされる訳にはいきませんよー」
「ふぇっ! あ、あの、そのっ……!!」
「あ〜あ、ランスがいないのが残念だなぁ〜! ランスがかっていたら、私の身体、プレゼントするのに〜〜。サービスで、ふぇら○おもするのに〜!」
「ミルには早いっての。まぁ、ロゼの言う事も違いないな。志津香〜、独禁法っつー、法律がこのカワイ子ちゃん達の間で協定されてるんだぜ〜〜!?」
ここぞとばかりに、寄ってくる乙女達だ。
かなみもたじたじ、しつつも……。
「あ、わ、私も……」
と、満更でもない様子だった。
「ぼ、僕もユーリの為に……ちょっとくらい……、あ、で、でも 鎧があるから、硬い、かなぁ……」
かなみの隣にいたメナドも同様だった。
膝部分の装備を脱ごうとまでしている所を見ると、かなり本気の様子。
それを止めるのは、当然だが真面目なシスター。シスターの鏡であるセル。
「ちょ、ちょっと待ってください、皆さん。ユーリさんは 今 かなりの重症なのですよ。そんな無理をなされては……」
間に入って、今はやめる様に、と止めるセルだ。数少ない神魔法の使い手だからこそ、治療に専念を〜、と思っていて 皆を止めようとしていた。その間に実際に行動に移す者もいた。
「膝枕独占中の所、申し訳ありませんが
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