第3章 リーザス陥落
第88話 奥義
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きであれば、速度の領域では儂では到底敵わない。故に、速度をもってすれば、例え 儂が先手を取ったとしても、全て無駄だと言うのは判っておった)」
瞬きさえ許されないこの一瞬の刹那に、トーマは、まだ考える。
それはまだ、解明されていない現象であるが原因は判る。
真の強者との戦闘、そしてその生と死の狭間の世界、とも言える空間で起こる走馬灯で起こり得る現象だと言う事は解っていた。の矛盾の中で、トーマの頭は更に早く回転していたのだ。
「(儂の攻撃よりも 遥かに早くにその斬撃を儂に当てるじゃろう。どんな攻撃をしても、全てがカウンターになる。お主の業の特徴、それは己に帰ってくる凶悪な力。まさに理不尽と言っていいだろう。……じゃが、逆に その速さが、その技術、抜刀術が貴様の命取りと知れ――。……一撃・必殺。故に、それを躱されたら、もうそこには、勝機はない。――これで詰みだ!)」
トーマは、その巨体からは考えられない程の恐るべき速さ。その巨体の身体事、攻撃を放っているとも思えるエネルギー量でユーリを襲っているのだが、あろう事か、攻撃の直前に、無理矢理その力のベクトルの方向を変えたのだ。無理矢理に酷使した為、筋肉の繊維の1つ1つが、ぶち、ぶち、とねじ切れる音が 己の耳に聞こえてくるが、まるで 意に返さない。
この男に勝つ事が出来るのであれば。
「―――――ッ!!」
ユーリの抜刀術は 鞘走りと踏み込みの勢いのままに、トーマのその身体を捉えた。
……もし、トーマが正面からユーリの攻撃を受け止めていれば、抜刀術の速度、鞘走りの速度と 更にトーマの突進力が合わさり、更に深く 鋭い斬撃となり、トーマの鎧をも紙の様に切り裂き、そして 勝負は決していただろう。
トーマの攻撃が強大であればある程、己へと還っていくからだ。だからこそ、トーマは凶悪な力と称した。
だが、トーマは、あの刹那の瞬間に、―――力の方向を、変えたのだ。
それは 全身全霊の偽の攻撃、とも言えるだろう。
だからこそ、攻撃の直前まで、本当の直前まで、気迫も迫力も全てが本物。……故にカウンターを狙う者であれば、誰しもが掛かってしまう、と言ってもおかしくはない濃密なフェイントだった。
前方から後方へ力の向きを変えたと同時に、その刹那の選択で発生した空間を利用。あの一瞬で、攻撃を放つのではなく、相手の攻撃を受け流す様に、その二連鉄球、戦鎚グラ・ニュゲトを手前に引いたのだ。
ぎぃぃぃんっ! と金属と金属の全力のぶつかり合いは、まるで衝撃波の様に周囲の空間に波紋となって広がる。 誰もが 反射的に耳を抑えてしまう超音波となって。
ユーリの抜刀術の威力と速度、鋭さが鎌風になり、トーマの黒鎧に斜めの傷を作った
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