暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアートオンライン アスカとキリカの物語
プロローグ 平和な日常
[5/8]

[1] [9] 最後 最初 [2]次話
は自分が医者となり、人の命を救いたいと言っていた。
多くの人は、いつもの命の飄々とした態度から医者になることについて意外だと言うが、医者になることについて語るときの命の目は真剣そのものなので、明日香はその夢が冗談で言っているようなものではないことを理解している。

明日香は命がめずらしい例であることは分かっている。
多くの中学生がこれから高校、大学へと進学していく過程で自分の将来の目標を見つけていくことも。
それに、このまま目標のないまま生きていても将来,安定した生活を送ることは可能なはずだ。それだけの教養は積んできた。
というより、目標としていた,自分がやりたいと希望する職に就ける者などごく少数だろう。
多くの者が,どこかで妥協して,自分の夢を諦める。
無茶な挑戦をせずに,安定したルートを進むようになる。
自信満々に言っていた命が医者になれる可能性だって高くはない。
それでも飛鳥は現状の自分、己の意志で行動をせず、母親の言うとおりに行動していることに、いらだちに似た感情を持っていた。
命の楽しげに将来の夢を語る姿を羨ましく思う。
命の瞳には明日香は持ち得ない信念や希望で満ちていた。
明日香は自分らしく生きてみたかった。周りの考えに左右されずに、己の意志で進むような生き方をしてみたかった。
己の進む道をを自信を持って己の意志で決める。
しかし、今まで親の言うことに文句の1つも言ったことの無かった明日香は面と向かって親の意見に否定の意を表す勇気を持ち合わせていない。
それに、親の意見に、ただ反抗することが正しいことだとも思っていない。
親の意見が厳しくはあるが,必要なことを言っていることも理解している。

結果、いつも通り母親の言うように朝も早く家を出ている。
親の進めた学校,進路へと進もうとしている。
今の自分を変えたいのに、変えられない。自分がどうしたいのかもよく分からない。
そのことに苛立ちを感じながらも、明日香は学校の課題と受験に向けての勉強をするために机へと向かっていった。
それから夕飯を食べるまでの3時間,明日香の部屋からはシャープペンシルが立てる音のみが響いた。



次の日のお昼時、明日香は家の中に誰もいないと分かっているのに、物音を立てないように気をつけて慎重に足を運びながら、兄、浩一郎の部屋に向かった。
兄の部屋に無断で入る。部屋の間取りはたいして変わらないが,明日香より本を読むことの多い浩一郎は自室に本棚を2つ置いてあるので、その分敷井が手狭に感じる。
明日香は勝手に部屋にはいることに兄への罪悪感を少し覚えながら、あるものを探す。
明日香の探し物はすぐに見つかった。
ベットの上に置かれている流線型のヘッドギア。
通称〈ナーブギア〉。
そして中身のゲームの名は〈ソードアートオ
[1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ