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Eipic1-E移ろいゆく季節〜Determination of Testarossa〜
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止める。さすがにアリシアにはこの電撃は辛い。今はエリオに誰かを傷つけさせるわけにはいかない。この時のシーンが、いつかエリオを苦しませると思うから。そっと左手を両手で包み込むと、放電が治まってくれた。今しかない。エリオに私の、私たちの思いを伝えるチャンスは。
「ねえ、エリオ。エリオが今その胸に抱いてる、悲しい気持ちも許せない気持ちも、たぶん・・・私はその全部を解りきってあげることは出来ないと思う。だけど、少しでも解りたいって思う。辛く悲しい気持ちも、分け合いたいって思うんだ。・・・エリオはどこか私に似てる。生まれ方もそうだし、親に拒絶されてしまったこともそう・・・」
「・・・え・・・?」
「一番大好きで、その人のためなら世界だって敵に回せるって思っていた。だけど、要らない子だって、失敗作だって拒絶された。それがすごく寂しくて、悲しくて、死んじゃいそうな程に辛かった」
最終的に私はプレシア母さんから愛を貰えた。だけどエリオが親から愛を貰うことはきっともう無い。
「どれだけ悲しくても、苦しくても、許せないことがあっても、それが永遠に続くことはないんだよ。楽しいこと、嬉しいこと、探していけばきっと見つけることが出来る。私だってそうだった。手を差し伸べてくれる人が居た。エリオにもきっとそういう人が現れるよ。最初は私と、後ろに居る私のお姉ちゃん。一緒に探していこう? エリオ。そして、お願い。悲しい気持ちで一を傷つけないで。それはエリオ自身も傷ついちゃうから。ね?」
「・・・うん・・・」
抱きしめてあげると、エリオは大きな声で泣いた。
・―・―・終わりです・―・―・
あれ以降、エリオは人を傷つけることがなくなったし、私やアリシア、次に一緒に会いに行ったアルフにも、たどたどしいけどちゃんと話をしてくれるようになった。それに、ちゃんと保護責任者の事も受け入れてくれたし。
「フェイトさん、アリシアさん、アルフ! 今日早かったね!」
「まあね♪ お仕事をササッと片付けて来たんだよ!」
「だから、今日はいっぱい遊べるぞ!」
「やったー!」
あの頃と比べるまでもないとっても良い笑顔。私、この笑顔を守り続けたい。いつか私の代わりにエリオを支えて上げてくれる子が現れてくれるまで。ううん、現れてからも陰ながら、ね♪
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