第104話
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うか……ほぼ睨んだ通りだったな。ご苦労だった。帰還して身体を休めてくれ―――と、言いたいところだが。」
(そらきた………)
セルナート総長の意味深な言葉を聞き、新しい任務を言い渡される事を悟っていたケビンは疲れた表情で溜息を吐いた。
「ん、なんだ?」
「いやいや。続けたってください。」
「うむ、任務終了そうそう悪いんだが………一つ君に頼みたいことがあってね。」
「ふむ………”外法”絡み、ですか?」
「いや、ただの”回収物”だ。グランセル大聖堂の地下に一時的に保管してあるらしい。」
「グランセル………!なるほど、”環”関係かもしれないっちゅう事ですか………」
「可能性は高いだろう。お前と同じ”環”に関わっていたイオンに頼んでもよかったのだが、あいつは既に別の任務についていて、すぐに動けないからな。どうだろう、頼めるかな?」
「………了解ですわ。ホシの護送もあるんでこのまま”メルカパ”はアルテリアに戻らせます。リベールへはオレ一人で。」
「ああ、よろしく頼む。そうそう、この件に関しては新人の従騎士を1人派遣した。君の下に新たに付けるからよろしく面倒を見てやってくれ。」
「ちょ、ちょっと待って下さいよ!新人って………あんたそんないきなり!」
セルナート総長が突然口にした自分の下に所属する新人の存在を知ったケビンは驚いた後慌てた様子で反論しようとしたが
「フッ、女神の巡り合わせはいつでも唐突なものだよ。訓練の成績も優秀だったから足手まといにはならないだろう。それでは健闘を祈る。」
セルナート総長は聞く耳を持たず、通信を切った。
「……………………」
「はは………その、何と言うか。」
「よ、良かったじゃないですか。新人が入ってくるみたいで。」
口をパクパクさせて呆けているケビンの様子を従騎士達は苦笑していた。
「いいことあるかいっ!はあ、まったくあの人は昔っから変わらへんな………とても小説のモデルになった人とは思えへんわ。」
「ああ……『カーネリア』でしたっけ。」
「あれ、いいんですかね?”騎士団”の存在を世に周知しているような気が………」
「あれくらい芝居がかかった内容ならかえって良い目くらましやろ。ヒロインが死んだとかいうのも適当な攪乱情報になっとるし。………もっとも実物を知ってたら簡単に死ぬようなタマやないってすぐにわかりそうなもんやけどな。」
「はは………」
「まあ、コメントは差し控えておきましょう。」
疲れた表情で溜息を吐いたケビンの言葉を聞き、ある小説で出てくるヒロインとセルナート総長を頭の中で比べていた従騎士達は苦笑していた。
「ともかく………話は聞いての通り
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