外伝〜怪盗の報告〜
[3/5]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
輝かせてジャンに尋ねた。
「ああ。予想以上に活躍してくれたし、エステル君達のサポートもしっかりこなせていたしね。構わないよ。」
「えへへ………ありがとう、ジャンさん!」
ジャンに褒められたミントは無邪気に喜んだ。そしてジャンは表情を真剣な表情にして、エステル達に言った。
「調査結果はすぐに王国軍に報告しておこう。あちらさんも相当、情報を欲しがっていたからね。」
「ああ、頼んだぜ。あの投影装置を考えるとハンパな組織じゃねぇはずだ。しかも『ゴスペル』をまた持ち出してくるとはな……」
「どうやら結社の目的は新しい『ゴスペル』を使った実験をすることにあったようだね。幽霊騒ぎは、趣味の入った実験結果でしかなかったようだ。」
「怪盗ブルブラン……。あいつ、自分のことを『執行者』と呼んでたよね。」
「恐らく『結社』のエージェント的な存在だろうね。察するにロランス少尉も同じような立場だったんだろう。」
アガットやオリビエ、エステルの話を聞いたジャンは自分の仮説をエステル達に話した。
「………………………………」
「ママ…………………」
「エステルさん、あの……」
黙っているエステルを見て、エステルの考えを察したミントとクロ―ゼは心配そうな表情でエステルを見た。
「うん、わかってる……。『漆黒の牙』……。あの日、ヨシュアは自分のことをそんな風に呼んでいたから……。多分、ヨシュアもその『執行者』だったんだと思う。」
「なるほどな……。あの怪盗野郎と同格なら、あいつの専門技術も納得だ。ひょっとしたら実力を隠して猫をかぶっていたのかもしれねぇ。」
エステルの話を聞いたアガットは16歳という年齢でありながら、さまざまな技術に長けていたヨシュアに納得した。
「うん……そうかも。……ねえ、ジャンさん。」
「なんだい?」
「あの怪盗男、結社の計画が始まったばかりだって言ってた。多分、リベールの各地で色々しでかすつもりだと思うの。ほかの地方支部から何か情報は入ってきてないかな?」
「うーん……。目立った情報は入ってないね。ただ、エステル君の言う通り、結社が各地で暗躍を始めている可能性は高いと思う。幽霊騒ぎも一段落ついたし、他の地方に移った方がいいかもね。」
「ああ。俺もそう思っていたところだ。どこか手薄な支部はあるかよ?」
ジャンの考えに頷いたアガットはどこの支部に行くべきか尋ねた。
「強いて言うならツァイス支部だと思う。常駐のグンドルフさんが王都方面へ出かけたらしくてね。かなり大変な状況らしい。」
「だったら、あたし達が手伝いに行った方がよさそうね。でも、ルーアン支部は大丈夫?」
「実は、ボース支部のスティングさんが数日後こっちに来
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ