第19話
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美しいのさっ!」
「くっ、小賢しいことを……。だが、私に言わせれば愛こそ虚ろにして幻想!人の感情など経ずとも美は美として成立しうるのだ!そう、高き峰の頂きに咲く花が人の目に触れずとも美しいように!」
オリビエの言葉を聞いたブルブランは一歩後退した後、すぐに立ち直って言い返した。
「むむっ……」
「ぬぬっ……」
そしてオリビエとブルブランは睨みあった。
「……えーと。」
「ほえ??」
「なんてアホな会話だ……」
「こ、困りましたね……」
一方オリビエとブルブランの舌戦を聞いていたエステル達は呆れて脱力した。
(思い出したわ………”美”にやたら拘っていた魔神…………アムドシアスを。)
(………待て。確かその名の魔神はソロモン72柱の一柱ではないのか?)
一方呆れている様子である人物像が浮かび上がったパズモは思わず呟き、パズモの呟きが聞こえたサエラブは尋ねた。
(ええ。………美や芸術にやたら拘っていたわ………)
(………どこにでも変わり者の魔神はいるのだな。…………全く。”色欲”の魔神といい、ソロモンの魔神共はそんな者ばかりなのか?)
パズモの説明を聞いたサエラブは魔神であるにも関わらず友好的な様子でウィルに知識を与え、争いはしたが最終的に自分達に力を貸していたソロモン72柱の一柱――魔神アスモデウスの事を思い出して、呆れていた。そしてその一方、ブルブランを挑戦的な目でオリビエを見て尋ねた。
「……まさかこんな所で美をめぐる好敵手に出会うとは。演奏家―――名前を何という?」
「オリビエ・レンハイム。愛を求めて彷徨する漂泊の詩人にして狩人さ。」
「フフ……その名前、覚えておこう。」
オリビエの名前を聞いたブルブランが不敵な笑みを浮かべたその時
「あ〜!エステルちゃんたち見つけた〜!」
なんと入口で待たせたはずのドロシーがやって来た。
「えへへ、あんまり遅いからガマンできずに来ちゃった♪」
「ド、ドロシー!?」
「いけません!早く逃げてください!」
「そうだよ!ここは危ないよ〜!」
呑気な様子のドロシーを見てエステルは驚き、クロ―ゼとミントは警告した。
「ふぇ……?あーっ!仮面をかぶった白いヒト!あなたが幽霊さんですね〜!?」
しかしドロシーは気にせず、ブルブランを見て呑気に尋ねた。
「い、いや……」
「はい、チーズ♪」
ドロシーに唐突に尋ねられたブルブランが戸惑っている所をドロシーはカメラで写真を撮った。
「うおっ?」
シャッターのフラッシュによって、周囲がまばゆく輝き、ブルブランはドロシーのいきなりの行動に驚いた。
「ピューイ♪」
「あっ……
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