第19話
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つでも放てるようにするわよ。幸い、敵は今、リベールの姫にかなりの関心を向けているようだし。)
(はい!)
一方テトリとニルは念話をした後、いつでも魔術を放てるようにブルブランがクロ―ゼに夢中の隙を狙って、小声で魔術の詠唱を開始した。
「ふ、ふざけたこと抜かしてんじゃないわよ!」
「そうだよ!」
エステルとミントは無理やりブルブランの方向に向いた。また、オリビエとアガットも同じようにブルブランの方向に向いた。
「このキテレツ仮面!クローゼから離れなさいっての!」
「そうだよ!そんな仮面を被っているって事はよっぽどミント達に顔を見られたくないんだね!」
「やれやれ、この仮面の美しさが分からないとは……。君達には美の何たるかが理解できていないようだな。」
エステルとミントに睨まれたブルブランは呆れて溜息を吐いた。
「フフッ……」
そしてそこにオリビエが不意に笑みを漏らした。
「む……?」
オリビエの笑みに気付いたブルブランはオリビエを見た。
「ハハ、これは失敬。いや、キミがあまりにも初歩的な勘違いをしているのでね。つい、罪のない微笑みがこぼれ落ちてしまったのだよ。」
「ほう……面白い。私のどこが勘違いをしているというのかね?」
オリビエの指摘にブルブランは興味を惹かれ、尋ねた。
「確かにボクも、姫殿下の美しさを認めるに吝かではない。だがそれは、キミのちっぽけな美学では計れるものではないのさ。顔を洗って出直してきたまえ。」
「おお、何という暴言!たかが旅の演奏家ごときがどんな理由で我が美学を貶める!?返答次第では只ではすまさんぞ!」
オリビエの言葉を聞いたブルブランは怒り、オリビエを睨んだ。
「フッ、ならば問おう―――美とは何ぞや?」
そしてオリビエは静かに問いかけた。
(な、何?どこかで似たような事を聞いたわね…………)
(おい、どうした。)
一方エステルの身体の中で状況を見ていたパズモはオリビエとブルブランのやり取りから、遥か昔に似たようなやり取りがあった事を思い出しかけ、サエラブはパズモの念話を聞いて首を傾げた。
「何かと思えば馬鹿馬鹿しい……。美とは気高さ!遥か高みで輝くこと!それ以外にどんな答えがあるというのだ?」
「フッ、笑止……。」
ブルブランの高々とした答えに対して、オリビエは両目を閉じて口元に笑みを浮かべた後、両目を開き高々と言った!
「真の美―――それは愛ッ!」
「……なにッ!?」
オリビエの答えを聞いたブルブランは驚いた!
「愛するが故に人は美を感じる!愛無き美など空しい幻に過ぎない!気高き者も、卑しき者も愛があればみな、
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