第二十七話 マクシミリアン・シンドローム
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」
「そんな、聞かれていた!?」
「貴方達がどういう者か良く知っている、後は王宮の地下牢で聞こうか……連れて行け」
「待ってくれ! 高等法院に連絡を……」
「その必要は無い」
「横暴だ!」
「おお、おのれぇ〜!」
後日、老害たちの家は揃って取り潰しになった。
マクシミリアンは改革する、一方で密偵団を強化して陰謀を未然に阻止する事にも力を入れていた。
この一件は、ほんの一部……少しずつだが不貞貴族はその姿を消していった。
☆ ☆ ☆
「経済は順調、次は富国強兵だ」
マクシミリアンの命令でトリステイン中の銃職人が新宮殿に呼ばれ、とある一室に集められた、銃職人達に対してマクシミリアンは熱弁をふるった。
「みんな、僕の呼びかけに答えてくれてありがとう。みんなに集まって貰ったのは他でもない、新型の銃の製作を命じたいのだが、早速だがこれを見て欲しい」
マクシミリアンの前には質素なテーブル置いてあり、そのテーブルの上には、これまで集めた『場違いな工芸品』が並べられていた。
マクシミリアンは『場違いな工芸品』の中から一つの小銃を選んで職人たちに見せた。
この小銃は『Kar98k』といって、地球では主にドイツ軍が使用したボルトアクションライフルの傑作だ。
他にも『M1ガーランド』『ブローニングBAR』『RPD軽機関銃』などが置かれていた。
「この小銃と、皆が作っているマスケット銃を良く見比べてくれ、この小銃とマスケット銃、何がどう違うのか、良く観察・研究して少しでもこの『場違いな工芸品』に近づけるようにして欲しい。もちろん報酬は弾むし出来うる限りの支援は約束しよう、しかし、技術を他国に売り渡すような真似だけは止めてほしい」
最後に『出来るだろうか?』と聞くと、職人達も魔法至上主義のトリステインで冷や飯食らい生活だった為に、やりがいのある仕事に飢えていてのだ。職人達は、既にやる気十分で二つ返事で引き受けてくれた。
……
王立劇場での、マクシミリアン襲撃計画の発覚で未然に防いだものの、未だに、きな臭い感じのトリスタニアでは、マクシミリアンの安全を考慮して流民への視察は無期限の延期になった。
執務室でマクシミリアンはクーペと流民の件で協議していた。
「例の襲撃計画、未然に防ぐ事ができてよかったです」
「おかげで民衆と触れ合う機会が無くなったよ」
「ですが、流民の数が多すぎて正確な数すら把握できていません。正直なところ視察が無期延期になってよかったですよ」
「流民の中にスパイが居る可能性があるって事か……その辺は上手くやって
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