暁 〜小説投稿サイト〜
英雄伝説〜運命が改変された少年の行く道〜(閃T篇)
第126話
[6/7]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
鉄の伯爵(アイゼングラーフ)”号……」

「真っ赤な列車でしたね……」

「それによく見たらオリビエが乗っていたね。」

ラウラは考え込み、セレーネは目を丸くし、エヴリーヌは静かに呟き

「深紅の列車……噂だけは聞いた事がある。帝国政府の専用列車だったか。」

ユーシスは列車が去った方向を見つめながら呟いた。



「ボクも乗ったことがあるけどすっごく速いんだよねー。内装も豪華でキレイだし。」

「ちなみに”鋼鉄の伯爵(アイゼングラーフ)”という名前の由来ですが……オズボーン宰相にちなんでつけられたそうです。」

「確かに”鉄血宰相”などと呼ばれているようだが……」

「でも……宰相閣下はたしか平民出身でしたよね?」

クレア大尉の説明を聞いて疑問に思ったエマは不思議そうな表情で尋ねた。



「ええ、ですが11年前、陛下より宰相に任ぜられる時、伯爵位を賜ったそうです。その時、今の列車の名前も合せて付けられたのだとか。」

「なるほど……」

「フン……あの男は爵位になど価値を認めていないだろうがな。」

クレア大尉の説明を聞いたエマが納得している中、ユーシスは鼻を鳴らしてジト目になり

「…………………」

「リィン……?」

「何か気になる事があるのですか?」

目を閉じて考え込んでいるリィンに気付いたラウラとセレーネはそれぞれ声をかけた。



「あ、ああ……?」

「どうしたのだ?呆けたような顔をして。」

「なんだ、疲れでも出たか?」

「いや……その、トワ会長やオリヴァルト殿下の姿が列車の窓にちらっと見えてさ。」

「へー、よく見えたね。」

「人間の肉眼じゃ、ほとんど見えないのによく見えたね。」

「”アイゼングラーフ”の速度で……なかなかの動体視力ですね。」

リィンの答えを聞いたミリアムとエヴリーヌは目を丸くし、クレア大尉は感心した様子でリィンを見つめた。



「いや……まぐれですよ。(本当はちらっとどころじゃなかった気がするが………何だったんだ、今のは……?)」

列車が通り過ぎる際、まるでスローモーションのように列車が通り過ぎるように感じた事を思い出したリィンは考え込んだ。



「ふむ……?」

「まあ、具合が悪い訳ではなければいいんだが。」

「…………………」

リィンの様子を仲間達がそれぞれ見つめている中、再びアナウンスが入った。



―――本日はご協力、誠にありがとうございました。まもなく、2番ホームにクロスベル自治州行き、大陸横断鉄道の列車が到着します。



「フン……来たようだな。」

「ああ………待たずに済んだみたいだ。」

そして
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2025 肥前のポチ