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歌集「春雪花」
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 恋しくも

  逢うも叶わぬ

    けふなれば

 なお恨めしき

      明日の暁



 どれだけ恋しく想い待ち続けていても…彼に会えないことなど分かり切っている…。

 そう思って今日を忍んでも…明日は必ずやってくるもの…。

 私の心なぞ知らぬと言うように…時は過ぎて行く。

 彼に会えない今日を繰り返すと思えば…明日の夜明けなど恨めしいだけだと言うのに…。



 帰りしと

  言いては来ぬ君

   忍ぶるも

 心泣きてや

   小夜更けにける



 この休みに帰省すると言っていた彼…少しだけ会えることを期待してしまったが、来るはずもない…。

 もしかしたら…と思ってもありえはしないのに、心は彼の姿を求めてしまうのだ…。

 そうして…いつまでも姿の見えない彼の名を…心の中で呼び続ける…。

 だが…時は足早に去り行き、すっかり夜も更けてしまった…。

 全く…自分の愚かさに自嘲する他ない…。




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