プロローグ2。星空家の『普通』
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じゃ!」
……誰か、『普通』の定義をこの人達に教えてやってください!
早急に!
そして。目覚めたあの日から、一年ほどたったある日。
1歳になった俺は両親と祖父に連れられて、何処ぞの上流階級のパーティに参加していた。
参加すると言ってもまだ1歳なので、言葉もろくに話せないし、動くのも人前……とりわけ両親の前ではハイハイしかしていない。本当は拙いヨタヨタ歩きではあるが1人で自由に歩けるし、言葉も普通に話せるのだが。あの両親のことだ。
普通に会話が出来て、歩けると解ったら何をされるか……彼らが知った後の行動は容易に想像がつくので出来ない振りをして過ごしている。
下手に出来る子アピールして、変な英才教育とか始まったら俺が求める普通の生活。『一般人』として過ごすという当たり前の夢が遠ざかるからな。
などと、母親の腕と胸の間に抱かれながら考えていると。
「あら? あの人がそうかしら?
……なるほど。出来るわね」
母親の呟きが聞こえて。
そちらの方に視線を向けると。
膝にまで届きそうなくらいに髪を伸ばした、俺の母親にもひけをとらないほどの美女が顔に笑みを浮かべながら近づいてきた。その女性の髪は日本人にしては少し明るくブラウンかかった、ふんわりウェーブの髪をしている。その女性の姿は何処か神々しく感じる。
まるで……女神様が具現化したかのような______。
そしてその女性の腕には赤子を抱いていた。
その赤子の髪は金髪で。
肌は色白い。
どう見ても純粋な日本人ではない。
女性の子ではないのか? と思ったが。
「うふふ。こんにちは。初めまして。神崎かなえです。この子は娘のアリアです。よろしくね? スバルさん」
母親に挨拶を終えた女性が気を遣ってか、俺にも挨拶をしてくれた。
その女性の腕に抱かれていたのは。
女の子だ。
何処かで見たことがある。
……って俺のバカ、見たことがある、じゃねえ。
どっからどう見ても彼女は……。
(り、現実アリアちゃん1歳? めっちゃくちゃ可愛い〜……じゃねえ!)
なんでここにいんの??
英国で暮らしてるんじゃないのかー?
メインヒロインとの遭遇イベントとか、何このテンプレ?
こんなテンプレいらないんだけど!
そんな風に内心叫んでいると、アリアと目が合って。
「あー、うー、だー!」
すまん。何を言ってるのかまったく解らん。
「うふふ。どうやらアリアもスバルさんのことが気に入ったみたいね。これからもよろしくね? スバルさん」
何をどうよろしくするんですか?
「うふふー」
かなえさんは笑みを浮かべたまま、しばらく微笑んでいた。
アリアとはよろしくしたくはないが。か
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