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夜空の武偵
プロローグ2。星空家の『普通』
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馬鹿なの? 死ぬの?
総理大臣とか、政治家とか、そんなもんに関わりたくないんだけどっ??
俺は普通の生活を送りたいの!
変なコネとかフラグはいらないの!
まぁ、どんな環境だろうとなんとかするけど。
なんとかしてやる、って思ってるけど。
だけど……それは今じゃない!

「オギャー、オギャー、オギャー??」(お願い! 誰か止めてー!)

「あらら、おしめかしら? はいはい……ちょっと待っててね?」

違う。違うよ、マミー!
止めてー!お願いだからそこのお花畑脳な父を止めてー!
そんな風に騒いでいた、その時だった。
______ドカーン! っという扉を蹴破るような音が聞こえ。
ドカドカドカ、っと騒がしい足音が鳴り響き。

「ガハハハッ! こらー、光一! わしの孫はどこじゃあ!」

全身を鎧でガチガチに固めた武者姿のご老人が部屋に入ってきた。
え? 誰、この暑苦しい人?
鎧武者なご老人は両親と一言二言交わすと、その顔を俺の方に向けてきた。
目が合った!
と思ったら。

「足らんな!」

開口一番にそう呟いた。
WHAT?
何がでしょう?

「何が足りないのですか、お義父さん?」

恐る恐るマミーが聞くと。
祖父は神妙な顔つきをして。

「この子には……『筋肉』が足らん!
こんなぷにぷにな身体では銃弾を生身で弾き返せないではないかー??
困ったのう。わしの秘技『筋肉(マッスル)返し(バスター)』の継承がこの子の今の筋肉では出来ないのぅ」

と言った。

ちょっと待て______??
『筋肉返し(バスター)』って何?
赤子の肌がぷにぷになのは『普通』だろうが!
生身で銃弾を弾き返す、ってどこの筋肉ダルマですか??
心の中で叫ぶ俺を他所に。
祖父はニカッ! っと笑い。

「この『一騎当千』の継承者が筋肉なしなしではいかん!
決めた! わしはこの子を世界最強の筋肉剣士にしてやろう」

満面の笑みを浮かべてそう宣言した。

NO______筋肉! YES______普通!

俺は普通の生活が送りたいの!
そう思った俺は、両親に助けを求めたが……。

「困りますよ、父さん。昴はごくごく『普通の』Rランク武偵になるんですから……」

「あら、貴方。何言ってるの? スーちゃんは立派な陰陽師になるのよ?
この子は『土御門家』の血を引いているのだから、陰陽師になるのが『普通』でしょう?」

……駄目だ、コイツラ。早くなんとかしないと。

「ガハハハッ! 何を言っとるんじゃ! この子は『鬼』の血を引きし者。即ち『剛』の者になるのじゃ!
その為には『筋肉』がなければいかん! 筋肉さえあれば敵なし!
これ、この世の真理
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