機動戦艦ナデシコ
1318話
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「んん……」
そんな悩ましげな声が聞こえ、俺の意識は急激に目覚めていく。
そうして意識を取り戻して周囲を見回すと、そこには白い肌が幾つも存在していた。
身体に触れている柔らかい感触が、桃色の髪で誰のものなのかをすぐに理解すると、同時に昨夜の記憶も思い出す。
そうだった、俺はナデシコ世界からホワイトスターに戻ってきたんだったよな。
そして家でこうして……
「あ」
視線の先には、疲れ切った様子で眠る……いや、意識を失っていると表現した方がいいハルカの姿があった。
まぁ、歓迎会みたいな感じでレモン達に総掛かりで責められてたからな。体力の限界が来てしまったんだろう。
桃色の髪を撫でながら時間を確認すると、午前8時過ぎ。
いつもであればそろそろ起きた方がいい時間なんだろうが、久しぶりの夜だという事で、昨夜は朝方まで喘ぎ声が響き渡っていたし。
俺の場合は混沌精霊だから、元々の体力が違い過ぎた。
まだ数時間しか寝てないレモン達を起こすのも忍びないので、取りあえず俺に抱きついているレモンからそっと手を外すと、ベッドから降りる。
10人……いや、俺を入れると11人が上に乗ってもまだかなりの余裕があるベッドから降りると、足下に誰の物か分からないが黒い下着が存在していた。
いや、この黒い下着は昨夜見たな。シェリル……は赤だったから違うな。
そうそう、千鶴の下着だ。
踏まないようにしながら、そっと床を歩いてバスローブを羽織って部屋から出る。
そうして風呂の方へと向かう。
この家の風呂は広く、ちょっとした自慢だ。
いや、そもそもレモン達と一緒に入る時もあるから、どうしても広くないといけないんだけどな。
今日はまだレモン達はベッドの上で体力が尽きて眠っているけど、また近い内に全員で風呂に……そんな風に思いながら服を脱いで風呂場の中へ入ると、そこには身体を洗っているエリナの姿があった。
向こうも扉が開く音で誰か来たのに気が付いたのだろう。こっちを向くと、しっかりと俺と目が合う。
そして自然の成り行きで俺の視線はエリナの肢体へと向けられ、お湯に濡れた艶めかしい白い肌と、柔らかそうな身体、女らしい曲線を描いた裸体が目に入った。
「きゃあっ!」
「悪い」
その悲鳴で我に返り、慌てて風呂から出る。
そうして改めて脱衣所を見回せば、そこには着替えが用意してあるのが分かる。
……そう言えば昨日エリナはこの家に泊まったんだよな。
普段人が泊まる事がないから、すっかり忘れてた。
「ちょっとアクセル! 貴方何を考えてるのよ!」
風呂の中から聞こえてくる怒声。
多分……いや、間違いなくエリナは真っ赤になりながら叫んでいる筈だ。
男慣れしていない――恋愛的な意味で
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