外伝〜調査依頼、承ります〜(インターミッション終了)
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い視点が必要なのではないかと思い至ったとき、私は軍職を辞する決意をした。軍は軍で、情報機関を作ればいい。准将がいらっしゃっている上、ロランスく――――いや、レーヴェ君も戻ってきてくれたのだから、私が心配することは無いだろう。しかし民間にはそのようなものは無い。組織的な情報収集とい正確な分析を行おうという考え自体がまだ無いのだ。……だから私は一民間人として”R&Aリサーチ”を興した。今これをやるべきなのは自分なのではないかと信じて……」
「もう………軍には戻らないのですね……」
リシャールの話を聞いてリシャールに軍に戻る意思がない事を悟ったセンダーは何かをこらえている様子で問いかけた。
「……軍に未練が無いと言えば嘘になってしまうな……しかし、私はこの国を支えるもう一つの目になりたいと考えている。……センダー、これが今の私の新しい愛国の形なのだ。どうか、わかって欲しい………」
「……………貴方は………卑怯だ………貴方のお考えは正しいでしょう。貴方はいつも正しく反論の余地は無い。だが…………もうリベールの明日を切り拓くと仰った貴方ではない……!もう会う事もないでしょう!失礼します……!」
リシャールの正論を聞いて黙り込んでいたセンダーは一瞬納得している様子を見せたが、すぐにリシャールを睨んで怒鳴った後その場から走り去った。
「………違う……………そうではないんだ、センダー………私は………(決意を秘めて、新しい道を歩んできたつもりだが……この選択が正しいなどと、確信しているわけではない。……今も、迷い続けているのだ。未だに、この過ちもまた間違いなのではないかと不安に駆られているのだ…………私には、准将のように一喝する力はない……やはりダメだな、私は……)」
「……所長。」
センダーが去った後一人物思いにふけていると聞き覚えのある女性の声が聞こえてきた。
「………カノーネ君か………」
声の主―――カノーネはリシャールに近づいた。
「……戻りましょう。風邪を引いてしまいますわ。」
「カノーネ君、私は……」
「……きっと彼も、戸惑っているだけなのです。あの情報部の熱気が忘れられずどこかに心の居場所を求めてしまうのですわ。……でもいつか、わかってくれる日が来ます。わたくしも、そうでしたから……」
「……そうか………フフ、そうだったね………」
穏やかな笑みを浮かべたカノーネの慰めの言葉を聞いたリシャールは微笑んだ。
「戻ろうか、カノーネ君。」
「…………はい。」
その後二人は事務所に戻った。
〜R&Aリサーチ社・ルーアン事務所〜
「やれやれ、ずぶ濡れになってしまった。カノーネ君、平気かね?」
「ええ、わたくしの方は問題ありませ
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