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英雄伝説〜焔の軌跡〜 リメイク
外伝〜調査依頼、承ります〜(インターミッション終了)
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ほっとしたよ。君は士官学校でも特に優秀だった。私にさえ出会っていなければ………私が巻き込んでしまわなければ今頃は佐官の位を受けていてもおかしくはない……本当にすまなかったね……」

「……大佐、自分は決して貴方を責めているわけではありません。……貴方は誰よりもこの国のことを考えていた。その愛国心は真実本物でした。自分はそれについていくと誓い、実際、幸福であったのです。確かに今となってはこの身の昇進は難しいでしょうが……そんなことはどうでもよい。自分は軍に復帰し、再びこの国の為に尽くしている。自分はそれで幸せなのですから。……貴方を恨むつもりなど、初めから毛頭ありませんよ。」

リシャールに謝罪されたセンダーは自分はリシャールを責めていない事を静かな表情で語ると一旦言葉を切り、話を続けた。

「……だが…………大佐、貴方はどうなされたのですか。……あれほどまでにこの国の将来を憂いていた貴方が……もう一度この国のために立ち上がろうとはせず、早々に軍を辞めてしまった……そして今は会社を立ち上げ、金持ち相手に商売しているなどと……!貴方の……あなたの愛国心はどこに行ってしまったのか!!」

かつてのリシャールと今のリシャールを比べたセンダーが怒りの表情で声をあげると再び雷が鳴り響いた。



「……大佐、軍へお戻りください。貴方は軍職に復帰し、そのお力を発揮なさるべきです!」

「……………すまない。私はもう、軍には戻れないのだ。」

自分の軍の復帰を強く望んでいるセンダーに対してリシャールは目を伏せて謝罪をして軍には戻らない事を伝えた。

「……………何故……何故ですかっ!?貴方はもう、十分過ぎるほどに償われた。貴方より遥かに重い罪を犯していたロランス少尉―――いえ、レオンハルト中尉もその罪を許され、軍に復帰し、新たな”情報部”―――”特務部”を率いる立場をアリシア女王陛下直々に任命されました。モルガン将軍やカシウス准将も、貴方の復帰を待っていらっしゃいます。我々はみな、それを心待ちにしているのです!……なのに、貴方はどうしてそのような顔をして……自分に……謝るのですか……!」

「……センダー、私は決して愛国心を捨てたわけではないのだ。………むしろ………………」

唇を噛みしめて自分を睨むセンダーにリシャールは辛そうな表情で語った後次の言葉を答えようとしたが黙り込み、そして再び口を開いた。

「……私は大きな罪を犯した。あれだけの事件を引き起こし、多くの人々を巻き込み……その多くの人々の助けで己の過ちに気づいたというのに……私の心は何も変わらなかったのだ。」

「た………大佐……?」

自分を蔑むかのように語ったリシャールの言葉の意味が理解できないセンダーは困惑の表情でリシャールを見つめた。




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