外伝〜調査依頼、承ります〜(インターミッション終了)
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「小さいからこそ、シェアが取れるんやないかい。国際定期船も一応通ってるし、まだ誰も手ぇ出しとらへんさかいな。」
「なるほど、市場規模の可能性を探る………という所でしょうか。調査のターゲットはオーブメント市場に限りますか?それとも市場全体で……?」
「全体の調査や。……どや、できそうか?」
「お任せください。まずは近隣の常駐スタッフに連絡を取ってみましょう。」
「よし、決まりやな。来週また来るさかい、詳しい話はそのときするわ。……ほなな!」
「お待ちしております。」
「お気をつけて。」
新たな依頼をした依頼人が満足そうに帰ると、リシャールは地図を見つめて考え込んだ。
「オレド自治州か……少し内陸になるな。確かあの辺りにはレインズ兄弟がいたはずだね。」
「ええ、後で連絡を取ってみますわ。」
「よろしく頼む。」
カノーネの言葉に頷いたリシャールは先程帰った依頼人の事を思い返した。
「ふふ、さすがはボース商人というべきか。ミラノさんの依頼はなかなか先進的で面白い。」
「所長に比べればまだまだですけれど。」
「はは、それは買い被りすぎだよ。」………カノーネ君、次の方を。」
「了解ですわ。」
リシャールの指示に頷いたカノーネは下に降りた後次の依頼人である新しいルーアン市長を連れてきた。
「やあ所長さん、いつもすみませんな。また少し、市の財政のことで相談に乗って欲しいのだが………」
「ええ、喜んで。どうぞおかけください。――――それで、今日はどのようなご用件で……?」
その後ルーアン市長の相談を終えたリシャールはカノーネと共に外に出てルーアン市長を見送った。
「この仕事も軌道に乗ってきたようだね。」
「ええ…………少々、緊張感に欠けるのが玉にキズですけれど。」
ルーアン市長を見送り終えた後呟いたリシャールの言葉に頷いたカノーネはかつての”情報部”で動いていた頃と今を比べていた。
「はは、我慢してくれたまえ。我々も今は民間人なのだから。」
「…………そうでしたわね。まあ、閣下の生まれ故郷でこうして過ごせるのは光栄ですけれど……」
「……カノーネ君。今は所長と呼んで欲しい。」
「はっ………………!?し、失礼致しました。」
リシャールに指摘されたカノーネは驚いた後慌てた様子で謝罪した。
「はは、謝るほどのことではないが………」
カノーネの態度にリシャールが苦笑していると空が暗くなり始めた。
「………入ろうか。天気も崩れてきたようだ。」
そしてカノーネと共に事務所に入ったリシャールだったが、見覚えのない手紙を見つけた。
「ん……?(……この手紙は………………)
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