外伝〜帝都への帰還〜後篇
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一度回り始めた歯車がもはや止まることはありえない。全てを巻き込みながら………際限なく成長を続けていくだろう。……宰相。貴方はそれがわかっているのか?」
「ハハ、もちろんですとも。―――まさにそれこそが私の改革の第一段階なのですから。」
「…………っ………」
エレボニアだけでなく、周辺各国の運命が大きく動かせる可能性が高い事を指摘された事に豪快に笑った後不敵な笑みを浮かべて答えたオズボーン宰相の答えを聞いたオリビエは息を呑んだ。
「その先は殿下………貴方が私に協力する気になったらお教えするといたしましょう。まずは納得のゆくまでご自分の足場を固めるがよろしい。………もっともそのためには貴方が嫌っている貴族勢力すらも手懐ける必要があるでしょうがね。」
「フッ………何もかもお見通しという事か。」
そしてオズボーン宰相の答えを聞いたオリビエが口元に笑みを浮かべたその時、正午を表す鐘の音が聞こえてきた。
「正午の鐘………そろそろ船が到着しますか。」
鐘の音を聞いたオズボーン宰相は立ち上がってオリビエを見つめ
「―――それでは殿下。私めはこれで失礼いたします。二週間後………また帝都でお会いしましょう。」
別れの言葉を告げた後、部屋を退出した。
「……………………」
オズボーン宰相が退出する様子をオリビエは黙って見つめているとミュラー少佐が入室してきて、オリビエに近づいて話しかけた。
「話しは終わったようだな。……どうした?随分と疲れた顔をして。」
「いや、なに………改めて―――自分が喧嘩を売った相手の怪物ぶりを思い知らされただけさ。」
ミュラー少佐の疑問に対しオリビエは疲れた表情で答えた後、苦笑した。
〜同時刻・空中庭園〜
「おっと………そろそろ船が来る頃合いか。それじゃオレはこれで失礼させてもらうぜ。」
一方その頃正午の鐘の音を聞いたレクター書記官はクローゼに別れの言葉を告げた。
「えっ………」
「じゃあな、ジーク。今度は帝国産のサラミでもお土産に持って来てやるよ。」
「ピュイ♪」
「ま、待ってください!また………何も明かさずに居なくなってしまうんですか!?」
何も語らず去ろうとするレクター書記官をクローゼは呼び止めようとしたが
「そうだ、クローゼ。お前、ひょっとして好きな男が出来たんじゃないか?」
「えっ………」
突然話を変えてきレクター書記官の答えに驚いて声を上げた。
「おっと、図星だったか。いや〜、いいねぇ。初恋っていうのは。胸キュンドキドキ、甘酸っぱいって感じだろ?」
「も、もう………ふざけないでください!……………」
レクター書記官にからかわれたクローゼは怒
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