外伝〜帝都への帰還〜前篇
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達―――”四大名門”すらも上回る出資者にも挨拶をしておこうと思っていたのだ。」
「そうでしたか………しかし、生憎ながらあの娘は幼い自分が世間に騒がれる事を嫌い、こう言った公の場に出る事はまだ控えておりましてな。女王陛下達も幼い娘の意志を尊重してくれ、今は遊撃士家業に専念させてもらっているのです。」
「なるほど………フフ、遊撃士や資産家としての能力を含めた様々な方面の”天賦”の才を持つご息女は貴公にとって自慢の娘なのであろうな。」
「ハハ、将来あの娘がどんな大物になるのか楽しみにしております。………レンには宰相閣下のお言葉を実家に帰った時に伝えておきます。」
「フフ、よろしく伝えておいてくれ。」
「(まさかレン君が宰相殿にまで目を付けられているなんて、さすがにこれは予想外だよ…………)……ところで宰相。この後、どうするつもりかな?あいにく私は、今日をもってリベールを暇するつもりなのだが。」
内心レンの存在感の大きさに驚いていたオリビエは二人の会話が終わるとオズボーン宰相に訊ねた。
「ええ、存じ上げております。何でも、名高き”アルセイユ”にて帝都に凱旋なさるのだとか……」
「ふむ……さすがに耳が早い。」
「私もご一緒させていただければ……と、お願いしたい所なのですが。あいにくこの後、他の予定が入っておりましてね。殿下とは別に、私も午後にはリベールを発たなくてはなりません。」
「まあ……今宵の晩餐には是非とも招待させていただくつもりだったのですが。」
オズボーン宰相がすぐにでもリベールから去るつもりである事を知ったアリシア女王は驚いた表情をした。
「ハハ、どうかお気遣いなく。不躾なる来訪者には過ぎた餐応というものでしょう。ですが、船が来るまでいささか時間がある様子……よろしかったら殿下。しばしお時間を頂けませんか?………個人的に色々とお話ししたい事がありますゆえ。」
「……………っ…………」
「…………フッ…………」
「「…………………………」」
意味ありげな笑みを浮かべてオリビエを見つめるオズボーン宰相の行動にミュラー少佐は息を呑み、レクター書記官は静かな笑みを浮かべ、クローゼとレイスはそれぞれ静かに見守っていた。
「……そうだな。いいだろう。私も貴方と個人的に話がしたいと思っていた所でね。」
一方オリビエは考え込んだ後、オズボーン宰相と話をする事を決めた。
「フフ、それは偶然ですな。」
「……よろしければ部屋を用意させましょう。女官長、よろしくお願いします。」
「……かしこまりました。」
そしてオリビエ達は客室の一室に案内され、ミュラー少佐を扉の前を守らせて、オリビエは客室でオズボーン宰相との一対一の会談
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