外伝〜帝都への帰還〜前篇
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ィアはこれからなのだから。」
カシウスたちの話を聞いたクローゼは次代のリベールの女王としてまだまだ未熟な事に表情を暗くし、レイスはクローゼを慰めていた。
「この場合は、かの宰相殿が尋常ではないと言うべきだろう。その発想は、良し悪しは別にして時代の一歩も二歩も先を行っている。フッ、そんな厄介な相手に挑戦状を叩きつけてしまうとは我ながら無謀もいいところさ。」
「殿下………」
「ふふっ、それでも彼の宰相殿に挑むのだろう?」
「まったく……何を他人事のように。」
疲れた表情で答えた後、いつもの調子に戻ったオリビエをクローゼは苦笑し、レイスは静かな笑みを浮かべ、ミュラー少佐は呆れていた。
「……今はご自分の足場を固めることに専念すべきでしょう。ですが、どうかお気を付けて。ご自分の立ち位置だけは決して見失われないでください。」
「……わかりました。これで無様を晒すことになれば、わざわざ”アルセイユ”で帝都まで送っていただく甲斐がないというもの。今のお言葉、肝に銘じておきます。」
「し、失礼します………!」
アリシア女王の激励の言葉にオリビエが会釈をして答えたその時ヒルダが慌てた様子で謁見の間に入って来た。
「ヒルダさん……?」
「女官長、いかがしました?貴女がそのように取り乱すのは珍しいですね。」
「……失礼しました。今しがた、グランセル城に突然のご来客がございまして。それが余りに異例だったのでお話中、失礼かと思ったのですが陛下たちのお耳に入れようかと……」
「異例の来客………」
「ふむ、そろそろ私はお暇した方が良さそうだ。」
「いえ、それが………その方は陛下だけでなくオリヴァルト皇子殿下にもご挨拶したいと仰っておりまして。」
「何……!?」
「……………………」
アリシア女王達の客がオリビエにも挨拶をしたい事を知ったミュラー少佐は驚き、オリビエは呆けた表情で黙り込んでいた。
「……ヒルダ夫人、その客人の名前は?」
そして自分に挨拶をしたい人物が気になったオリビエは表情を引き締めて訊ねた。
「……はい。エレボニア帝国宰相、ギリアス・オズボーンと名乗っていらっしゃいます。」
そして謁見の間に新たな客―――どことなく”覇気”を纏い、いくつもの勲章を付けた”質実剛健”を表しているような黒を基調とした服を着た黒髪の男性――エレボニア帝国の宰相、ギリアス・オズボーンがレクター書記官を伴って入って来た。
「――お初にお目にかかります。エレボニア帝国政府代表、ギリアス・オズボーンと申します。このような形での突然の訪問、どうかお許ししていただきたい。」
謁見の間に現れたオズボーン宰相はアリシア女王達に会釈
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