外伝〜帝都への帰還〜前篇
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ての正装を身に纏ったオリビエはミュラー少佐を傍に控えさせてアリシア女王達に別れの挨拶を告げていた。
「ふふ、とんでもありません。殿下のような国賓を”アルセイユ”でお送りするのはしごく当然の事でありましょう。こちらこそ、殿下には色々とお世話になってしまいましたね。」
「また、機会があったら是非、リベールにいらして下さい。その頃にはエステルさんたちも戻ってきているでしょうし……皆で盛大に歓迎させていただきますから。」
「フフ、もしリベールに再び訪れる事があれば、互いの放蕩時代を語り合おうじゃないか。」
「はは、楽しみにさせて頂こう。そういえば、エステル君たちもそろそろリベールを発った頃かな?」
アリシア女王とクローゼ、レイスの暖かい別れの言葉に笑顔で答えたオリビエはエステルとヨシュアの事をふと思い出してクローゼの横に控えているレイスとは反対側に控えているカシウスに訊ねた。
「いや、今頃ロレントで旅立ちの支度をしている頃でしょう。自分もその時には休暇を頂いて二人を見送ろうかと思っています。……それにその頃には5人目の子供も産まれているでしょうし。」
「なるほど……ハーメル跡は封鎖されているが私の方で責任を持って、入れるよう取り計らっておこう。カシウスさんは二人に……クローディア姫はお手数だがレーヴェ君とカリンさんに宜しく伝えて欲しい。……それとカシウスさん、まだ早いが貴方の新たなご子息もしくはご息女の誕生……この場で祝福させていただきます。おめでとうございます。」
「……承知しました。それとオリヴァルト皇子、私達の新たな子供の誕生の祝福をして頂きありがとうございます。皇子のお言葉は妻にも伝えさせていただきます。」
オリビエの言葉を聞いカシウスは会釈をして答えた。
「なに、あの二人にしてもらった事を考えればそれくらい些細なことだよ。」
「あの……殿下。カリンさん達に殿下の御言葉を伝えるのは別に構わないのですが……もし、殿下がよろしければお二人を今すぐこの場に呼んで、殿下が直接伝えて、お二人にも見送ってもらう事も可能ですが……」
「お気持ちはありがたいが、遠慮しておこう。カリンさんはわからないが”ハーメル”の件で、レーヴェ君は私達エレボニア皇族や帝国政府に対する恨み言の一つや二つはあるだろうから、二人の気分を悪くしてまで見送ってもらうなんて二人に申し訳ないしね。それに”ハーメル”の民達の無念を切り捨てたエレボニア皇族である私に二人に見送ってもらう資格はないしね。」
「殿下………」
「……………」
オリビエの話を聞いたクローゼは辛そうな表情をし、ミュラー少佐は目を伏せて黙り込んでいた。
「アリシア女王陛下。ヨシュア君に続いて”ハーメル”の遺児である二人をリベールに受け
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