外伝〜帝都への帰還〜前篇
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…………」
「はは、それは確かに物凄いインパクトでしょうね。自分も同行していたら是非とも拝見したかったです。」
オリビエの答えにミュラー少佐が顔に青筋を立てて黙り込んでいる中、レクターは笑いながら答えた。
「書記官………」
「フッ、若いのに随分見どころがあるじゃないか。どうだい、レクター。君も一緒に”アルセイユ”で帝都に帰るというのは?そろそろ王国での仕事も終わりなんだろう?」
「はは……”アルセイユ”には心惹かれますが次の仕事が控えておりまして。お気持ちだけ頂戴させていただきます。」
「おや、それは残念だ。まあ『次の仕事』もせいぜい頑張ってくれたまえ。」
「ありがとうございます。それでは私はこれで………」
レクター書記官が部屋から退出するとミュラー少佐はオリビエにレクター書記官の正体を確認した。
「二等書記官、レクター・アランドール。……やはり宰相の手の者か?」
「十中八九、間違いないだろうね。徒歩でハーケン門を通過し、この大使館位赴任したのは一月前。ちょうどボク達が”アルセイユ”で浮遊都市に向かったのと同じタイミングだ。それが偶然であるはずがない。」
「……だろうな。考えられるとすれば情報局の人間あたりか………良かったのか?今まで放置しておいて。」
「そこはそれ。宰相閣下の出方は知っておきたかった所だしね。いずれ彼からの報告を通じて何らかのアクションがあるはずだ。東部諸州の視察が終わった後……多分2週間後といったところかな。」
「ふむ、そこまで狙っていたのか。わかった、ならば俺の方もそのつもりで備えるとしよう。」
相手の行動を予め予測しているオリビエの考えを知ったミュラー少佐は感心した様子で頷いた。
「ああ、よろしく頼むよ。」
ミュラー少佐の答えを聞いたオリビエは頷いた後、ふと窓の外を見ると何かに気付いた。
「ほう………」
「なんだ、どうした?」
「いやなに……月が出ていただけさ。それも見事な満月だ。」
「リベールの月もこれで見納めか………少々惜しい気もするがな。」
「フフ、君にもようやく雅趣のなんたるかがわかってきたようだね。まあ、せいぜい頑張ってまた見に来れるようにしよう。お互い、生きている内にね。」
「フッ、そうだな。」
そして翌朝、オリビエとミュラーはグランセル城にてアリシア女王達に見送られようとしていた。
〜グランセル城・謁見の間〜
「―――女王陛下、王太女殿下、王子殿下。今まで本当にお世話になりました。その上”アルセイユ”で帝都まで送って欲しいという図々しい願いを叶えて頂けるとは……このご恩、いつか必ずや何倍にしてお返しいたします。」
翌朝エレボニア皇子とし
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