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英雄伝説〜運命が改変された少年の行く道〜(閃T篇)
第120話
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がにビックリしたよー。」
「うむ……私も驚いた。貴族派全体の大規模な会合を近い内に開くつもりらしくてな。それに必ず出席するようにとこんな辺境まで訪ねて来たらしい。」
「で、ですが父上はあくまで貴族派からは……」
アルゼイド子爵の話を聞いたラウラは信じられない表情でアルゼイド子爵を見つめた。
「……はい。距離を取っておられます。さりとて革新派にも近づかず中立を貫いておられますが……」
「だが、先方からしてみれば貴族ならば貴族派に所属して当たり前という理屈なのだろう。気の進まぬ貴族たちも強引に引き込んでいるという話も聞く。」
「……当然、俺の実家もそれに関わっている筈ですね。」
「うむ……そうだな。”四大名門”の主導権をカイエン公とアルバレア公のどちらで取るか……やや揉めていると聞くが基本的には同じ方針であろう。」
「………………」
「ユーシスさん……」
自分の推測に答えたアルゼイド子爵の説明を聞いて黙り込むユーシスに気付いたエマは心配そうな表情をした。
「その、自分の実家については何かご存知ありませんか?今はメンフィル帝国貴族とは言え、元はエレボニア帝国貴族ですし……」
「それは大丈夫だと思うよ。エリゼはリフィアのお気に入りだし、リウイお兄ちゃん達もリフィアのお目付け役を務められるエリゼを信頼しているし。以前の夏至祭の時にリウイお兄ちゃん達がエリスを助けに行ったでしょ?あれって、エリスがエリゼの妹だからだよ。」
「え……」
自分の心配に答えたエヴリーヌの話を聞いたリィンは呆け
「フフ、そちらのお嬢さんの言う通り、そなたの実家ならば心配は無用だろう。シュバルツァー卿と言えば私以上の頑固者として有名だ。元は祖国の話とは言え、貴族同士の胡乱な動きに加担するとはとうてい思えぬ。加えてそなたの妹―――エリゼ嬢がリフィア殿下の専属侍女長を務めている事からメンフィル皇家に信頼されている話は夏至祭の際、リウイ陛下達自らエリゼ嬢の妹―――エリス嬢の救出に向かった事によって有名になった上、エリス嬢の件を考えるといざとなればリウイ陛下達も動いて下さるだろう。」
「そ、そうですか……少しばかり安心しました。」
「まあ……!さすがエリゼお姉様ですわ。」
アルゼイド子爵の説明を聞いて安堵の表情をし、セレーネは目を丸くした後微笑んだ。
「ふむ……待てよ。―――そういう事なら、まだ打つ手があるやもしれん。クラウス、またしばし留守にする。悪いがよろしく頼んだぞ。それとセリカ殿にはお見送りができなく、申し訳ないと伝えておいてくれ。」
「かしこまりました、お館様。」
その時何かに気付いたアルゼイド子爵はクラウスに指示をし
「ち、父上!?」
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