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英雄伝説〜運命が改変された少年の行く道〜(閃T篇)
第120話
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リィンは真剣な表情で男を見つめながら男―――カイエン公爵を知らないガイウス達に説明した。
「おや、どこかで見た顔かと思っていたがアルフィン殿下の”婿候補”と噂されているシュバルツァー家の養子か。」
その時リィンに気付いたカイエン公爵は興味ありげな表情でリィンに視線を向け
「リィン……」
「…………」
その様子を見守っていたラウラは心配そうな表情をし、ユーシスは真剣な表情でカイエン公爵を見つめ
「……ご無沙汰しております。それとお言葉ですが自分如きがアルフィン殿下の婿候補という畏れ多き資格があるとは思えません。あれはマスコミの方達の憶測です。」
リィンは静かな表情で会釈をした。
「フフ、そのくらいの事はわかっている。しかしシュバルツァー男爵家の直系の双子の妹のエリス嬢はアルフィン殿下の付き人を務め、姉のエリゼ嬢はリフィア殿下の専属侍女長の上、かの”剣聖”から直接剣の師事を仰いでいる事からリフィア殿下―――”聖魔皇女の懐刀”と称され、リィン君自身はアルフィン殿下の失態どころかエレボニア帝国の失態を取り消すようにリウイ陛下に意見をし、リィン君の意見によってメンフィル帝国は夏至祭で起こった件について追及しなかったと聞いている。アルフィン殿下どころかエレボニア帝国を守り、エレボニアとメンフィル、それぞれの皇家に信頼をおかれているシュバルツァー男爵家の息子なら、養子とはいえアルフィン殿下の婿としての”価値”もあると思うがな。シュバルツァー男爵も予想外の大活躍をした”拾い物”を拾った事に、さぞ喜んでいるだろう。」
「「「…………」」」
「…………恐縮です。」
カイエン公爵の言葉の節々からリィンを侮辱している事に気付いていたラウラとユーシス、セレーネは厳しい表情でカイエン公爵を見つめ、リィンは一瞬複雑そうな表情をしたがすぐに気を取り直して会釈をし
(何、この男……遠回しにご主人様の事を貶しているわね。)
(恐らく大貴族の子息でもないご主人様が自国の皇女に気に入られている事が気にいらないのでしょうね。)
(典型的な血統主義者ですか……)
ベルフェゴールとリザイラ、メサイアはそれぞれ静かな怒りを纏ってカイエン公爵を睨んでいた。
「フフ、久闊を叙したくもあるが少しばかり急いでいてな。また近いうちに、会う機会を設けるとしよう。うむ、それではさらばだ。」
そしてカイエン公爵は護衛達と共に去り始めたが、護衛達は立ち止まってリィン達を見つめた。
「ハハ、なるほどなぁ。君らがトールズ士官学院の”Z組”ってやつか。」
「……!?」
「何故それを……?」
青年が自分達の正体を知っている事にリィンは驚き、エマは信じられない表情をした
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