外伝〜もう一人の共存を謳いし”王”〜
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末魔をあげながら地面に倒れて動かなくなった。
「えっ!?今の声と魔術は……!」
自分を援護した魔術に驚いたウィルだったが、聞き覚えのある声に表情を明るくさせ、魔術が来た方向に向いた。
「全く………精霊王女たるこの私を破っておきながら、なんという体たらくですか。以前と比べて、腕が少し落ちたんではなくて?」
そこには槍を持ち、得意げに胸を張ったフィニリィが嬉しさを隠せない表情でウィルを見ていた。
「フィニリィ!最近姿を見ないと思っていたから心配していたけど、無事でよかった!」
フィニリィを見たウィルは嬉しそうな表情で言った。
「うっ……!(あの反則の笑顔は相変わらずですわね、ウィルは。)」
ウィルの笑顔を見たフィニリィは自分が唯一好意を持ち、身体を許した相手に笑顔を向けられ、一瞬顔が赤くなり、そして小声でセラウィに話しかけた。
(フフ……惚れ直しましたか?)
小声で話しかけられたセラウィは微笑みながら小声で答えた。
(な、何の事よ!それに妻の貴女がよくそんな事が言えるわね……)
セラウィの答えにフィニリィは一瞬焦った後、呆れて溜息を吐いた。
(ウィルと恋人同士だった頃から、貴女や水那達がウィルに好意を持っている事や抱かれている事は知っていますし、今更じゃないですか。)
(……私達の事、なんとも思わないの?)
(フフ……確かにたまに嫉妬をする事はありますが、それも含めてこそのウィルなのですから。……それに古来から『英雄、色を好む』とありますし、貴女達相手なら私は何も言いませんよ。……というかセティが産まれた1年後に産まれたシャルティとウィルの娘――シャマーラと、シャマーラと同じ時間に産まれたウィルとメロディアーナの娘――エリナの事は貴女も知っているでしょう?)
(貴女って人は………………)
セラウィの答えを聞いたフィニリィは呆れて溜息を吐いた。
「?2人とも一体何を話しているんだい?」
セラウィとフィニリィの会話が聞こえなかったウィルは首を傾げて尋ねた。
「なんでもありませんわ!それよりここは戦場なのですから、油断は禁物……ですわ!」
ウィルに答えたフィニリィは自分に襲いかかるゴブリン槍で倒しながら言った。
「そういえば……どうして俺達がここにいるってわかったん……だい!」
同じく自分に襲いかかかる魔物を倒しながらウィルはフィニリィに自分達を探し当てた理由を尋ねた。
「どうせ、あなたの事だから最前線にいるのはわかりきっている事ですわ。全く領主の癖に、なんでそんな真似をするのですか!少しは領主としての自覚を持ったらどうかしら?」
「あ、あはは……でもみんなに任せて、俺だけ安全な所でみんな
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