暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜Another story〜
マザーズ・ロザリオ編
第230話 想いを胸に いざ戦いへ
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れを訊いたリュウキは、ゆっくりと頷き、そして答える。

「ん。覚えてるよ」

 リュウキの返答を訊いて、レイナは笑顔になる。――けど、直ぐに変える事になる。

「此処、バナレーゼ。主要街の名でもあるな。以前のアインクラッドでは、確か、武器の目玉は、プレイヤーメイドを除けば、《フォトン・ブレード》を中心に添えて、それが基本装備、定番装備になっていた筈だった。一応、情報の橋渡しはオレがしたし。それに、片手直剣の使い手が結構多かったから、代表的になった、と言う理由もあるだろう。後イベントクエストで言えば、所謂《バードウォッチング》だな。指定された鳥を追いかけ続けたら最終的にNPCが……」

 と、律儀にも1から10まで説明会を開催してくれるリュウキ。
 勿論、それを最後まで聴くつもりはレイナには無く、ある程度まで言った所でレイナは、頬を膨らませた。

「もーーっ、リューキくんが、記憶力抜群なのは知ってるよっ! って、そんな細かな詳細まで、お姉ちゃんだって覚えてないよっ! 違う違うってっ! 街の情報や当時の事の話じゃなくって、私たちのことーーっ」
「………ふふっ」

 両手をぶんぶん振って、リュウキの講義に抗議する? レイナ。
 だけど、そんな取り乱すレイナとは対照的に、リュウキはただただ笑っているだけだった。だから、自ずと見えてくるモノはある。――――つまり。  

「むっ! もーーーっ、リューキくんっ!!」

 からかわれている、と言う事だ。もう随分と慣れてきていると言うものなのだけど……、やっぱり同じである。

「ははっ、ごめんごめん。勿論、覚えてるよ。……此処から見えるパナレーゼは、あの層。……61層の《セルムブルグ》によく似てる、って事だろう? レイナが言いたかったのは。……少々雰囲気は違うけど」

 パナレーぜの風景を一瞥した後に、リュウキは再びレイナの方を見た。レイナは、ちょっぴり頬を膨らませていたけれど、満足のいく答えだった様で、笑顔を見せていた。

 笑顔なんだけれど、リュウキは他にも感じる事があった。

「……なんだかレイナ、ちょっと思い詰めていた感じがしたからさ。……ちょっと、な?」

 リュウキはそう言いつつ、レイナの頭を撫でた。
 その言葉を訊いて、撫でられた事で、頬が少々赤くなっていたレイナだったが、徐々に息を潜めていった。

「あ……、判っちゃった、かな?」
「ああ。判るよ。……レイナのこと、だからな?」
「うーん……、私、そんな判りやすいかなぁ……」

 レイナは、どことなく不満顔だけれど、そのやり取りをしている2人は、とても暖かく柔らかい笑みを浮かべている。



 旧アインクラッド、SAO時代でのこの層で、こんなリュウキの笑みを見られるなんて、向けてく
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