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ソードアート・オンライン〜Another story〜
マザーズ・ロザリオ編
第230話 想いを胸に いざ戦いへ
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〜新生アインクラッド 第24層・パナレーゼ〜
――……昨日から、この世界に入って……、まだ お姉ちゃんと話はしていないなぁ。それに……。
レイナは、大部分が水面に覆われた、この湖沼系フロアをじっと、眺めていた。
凄く、懐かしい気持ちになるのは、当然だった。それはここ24層に対して、特別思い入れが強くあった訳ではない。と言うより、この時はいつもいつも、意中の彼の事を追いかけては、躱され、追いかけては置いていかれ……、とそればかりな気がする。つまり、どの層でも根幹は、同じである。勿論、それだけではないのだが……、レイナにとっては、その事が大きすぎるから。
そして、甘酸っぱい想いと同じくらい凄く懐かしい気持ちになるのは、この全体の風景が、パナレーゼのモノではなかったからである。
ここは、この風景は、まだ当分は開放されてないはずの場所。
それは嘗て、姉のアスナと共に暮らし、そして 想いが伝わって、初めて一緒に暮らし始めた場所。
湖上都市《セルムブルグ》を擁する61層とよく似ているのだ。
少し違うのは、落ち着いた風景が広がり、何処か清楚で穏やかなイメージだった都市なのだが、今はまるでお祭りの縁日のように賑やか。開放したばかりだから、と言えば頷けるが、やっぱり違和感があるのは、当時のイメージが色濃く残っているからだろう。それでも、懐かしく 穏やかになる気持ちと言うものだ。
「…………ん」
穏やかな気持ちになっても、それでも――……レイナは、昨日の事がまだ忘れられない。
忘れられないのだけど、今だけは――、この空間だけは――、この世界でだけは――。
大好きな人の隣で、沈んだ気持ちを見せたくない。
いや、隣にいてくれるから。……リュウキが一緒にここにいてくれているから、穏やかな気持ちになれる。
――リュウキ君の為に、リュウキ君に嫌な想いをさせるくらいなら……、でも……。
それは 少なからず、今日この世界に来ても想い続けた事だった。
でも、やっぱり 温かな気持ちをくれる。……くれた人が傍だと、離れるなんて選択肢を取れる筈もない。……我慢なんて出来ず、甘えたい。心から。だから レイナは隣の想い人。リュウキの肩に そっと身体を預けた。
「ふふ……」
レイナを受け入れ、にこりと笑顔を向けるリュウキ。
笑顔を見て、レイナは 『今日はだけは、昨日の事を忘れよう』
レイナの中でそれを決めて、笑顔を向けてくれたリュウキの方を見た。
「ね? ね? リュウキくん。覚えてる?? 見覚えない?? この風景っ! あ、今のこの世界の事じゃないよ? 昔の―――ね?」
レイナは、広がるパナレーゼの風景を指差して訊いた。そ
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