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俺から見た八幡先輩といろは先輩の事情
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先輩もそれに続いて俯きながら歩きだした。
歩垂「…うち父子家庭だったんですけど、その父が病気になってしまって。まあまあ重い病気みたいで、それで父の実家がある東京に行くんですよ」
いろは「…」
歩垂「東京と言っても、そこまで大都会ってほどでは無いんすけどね。でも高校も大学も近いところですからそこら辺は楽ですよ」
いろは「………」
歩垂「ただ残念なのは、いろは先輩に『卒業おめでとうございます』って直接言えない事ですね」
いろは「……!?」
歩垂「……話してたらもう着いたみたいっすね。それじゃいろは先輩、さよなら」
いろは「待って!!」
歩垂「!?」
歩垂「は、はい?」
いろは「あ、いや…やっぱりいいや。またね」
歩垂「…はい」
そしてまた月日は流れた。転校の一週間前とかに先生が俺の転校を伝えると小町さんと大志だけが反応を示していたが、他は何だかホッとしたような、良かったという風な反応だった。
そして当日
終業式も終わり俺は生徒会室にいた。小町さんと大志と静先生には激励を受けた、何か痛かった。
歩垂「腹痛い…静先生め……」
黄昏てた。
あと30分ほど時間はある、少しだけ…うん、少しだけ……
寝た。
20分後
歩垂「ん…そろそろか」
顔を上げると目の前にいろは先輩がいた。
歩垂「うぇ!?い、いろは先輩?!いたんすか?」
いろは「あんまり気持ちよさそうに寝てたからね、起こすのも悪くて」
歩垂「…まあはい、寝たのは俺が悪いんすよ。それに予想は当たってたんで」
いろは「それはわたしも、歩垂君ならここに来るかなって思ってね」
歩垂「正解っすよ。…いろは先輩に言いたいことがありまして」
いろは「私も…お先にどうぞ」
歩垂「お言葉に甘えて、いろは先輩。今までありがとうございました。俺はいろは先輩に憧れ、八幡先輩に憧れ、色んな人に憧れて来ました。その中で一番付き合いが長かったのはいろは先輩です。いろは先輩は八幡先輩と接するように素のいろは先輩を見せてくれました。きっと他の人なら悪い方に態度が変わると思います、気持ちも変わると思います。でも、俺は嬉しかったです!憧れの人と対等になれたとか、憧れの人が俺の事を信用してくれたとか、とにかくとても嬉しくて、とてもお世話になりました。本当はいろは先輩が卒業するまでいたかったです。いろは先輩に卒業おめでとうございますって直接言いたかったです。そこはごめんなさい、でも代わりに今までの感謝を伝えたくて今日ここに来ました」
歩垂「いろは先輩、今までお世話になりました。いろは先輩から学んだこと、過ごした時間、交わした言葉全ては俺のこれからの人生の糧になるはずです。ありがとうございました」
深々と礼をした。涙は流れなかった、凄く悲しかった、そこら辺の卒業式よりも何百倍も悲しかった。でもそれよ
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