第6話 僕が招いた....
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。
何度も言おう。
...今日の僕はなんか変だ。
ここは僕が何か話題を出すべきなのだろうか。絢瀬先輩は身嗜みを整え終え、東條先輩と女子高生らしく、きゃいきゃいと、時折笑顔を見せながらトークを楽しんでいる。
いつもの僕ならここで出しゃばる事なく、その場を離れるだろう。少し関わった相手でも、むやみに接触せずに、ある程度の距離を保っていく。向こうから近づいてくるなら拒みはしない。だけど、僕からは近づかない。花陽や凛はまた別の話だけど、それが僕の人との距離の保ち方だ。
だけど、今の”僕”は”僕”ではない。どうしてか...東條先輩と絢瀬先輩の話に混ざって話をしたいと考えている僕がいる。
そんな僕を見かねてなのか、東條先輩は僕の隣にやって来てこう言った。
「あ、えりち紹介するね。こっちの背の高い子は高橋春人くんっていうんよ♪なんと!春人くんは高校一年生なのだー!!」
「え?そうなの?それにしては本当に背が高いわねぇ...180センチあるんじゃないの?」
「えっと...はい、あります」
東條先輩はオーバーリアクションで僕の紹介をする。やっぱり絢瀬先輩は僕の事を同級生かそれ以上として見ていたらしい。わからなくもないけど、彼女が僕の事をマジマジと見てくるため体中がムズムズとしてくる。
「高橋...春人です。よろしくおねがいします」
「よろしく高橋くん。私は絢瀬絵里、音ノ木坂の生徒会長を務めているわ」
いちいち笑顔が眩しくて......
そうして絢瀬先輩の視線は僕から僕の後ろにいる花陽と凛へ......
「彼女たちは?もしかして彼女さん達かしら?ふふ、モテモテね、君は」
「え!?あ、あの花陽ちゃん達は僕の幼馴染です。”彼女とかそんなのではない”ですよ!」
僕は首を左右に振りながら否定する。花陽ちゃん凛ちゃんが彼女...あまり想像できないけど、きっと楽しいに違いない。
だけど、それはあくまで僕たちが”幼馴染じゃなかったら”の話。きっと僕たちが”幼馴染”から”恋人”に関係が変わっても何も変わらないと思う。
僕は実際”幼馴染”の方が居心地はいいしこれからも続くことを願っている。
だから僕は否定する。
「二人は...小泉花陽ちゃんと星空凛ちゃんです。貴女の...絢瀬先輩と同じ高校の後輩ですよ」
「あらそうなの?...確かに”小泉”と”星空”っていう苗字は見たことあるかもしれないわ」
「ウチは覚えとるよ。よろしくなぁお二人さん」
「よろしくおねがいします」とペコリ、お辞儀を一つ。
「星空さんと小泉さんはもう高校生活に慣れたかしら?」
「はい........
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