第22話 真のサムライ?
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動で教えてしまう所だったよ」
「いえ、私の方こそすいません。あくまでも被害を受けたのは彼女たちであるにも拘らず、出過ぎた上に生意気な口を使って恥を掛けてしまいました」
「・・・・・・・・・」
先程とは打って変わる士郎の姿に、フランクは面を喰らうも、直に笑みを作る。
「何でしょう?」
「いや、不義理があったのは間違いなく我々だと言うのに、その姿勢に感心してしまってね。成程、君のような人間こそ、真にサムライと言うのだなと感心してしまったよ」
「え、あっ、いや、私はそんな大したものでは・・・」
「そして自分を律する精神性、クリスよ。私達は運がいいぞ!彼こそが真のサムライと言う人間だ。私もそうだが彼をよく観察しなさい。彼の様なサムライ精神が完成している人間性を学ぶことで、さらに私たちは飛躍する事に成るからね・・・!」
「はい、父様!」
もはや自分たちの世界に入ってるのか、フリードリヒ親子は当人である士郎を置いて勝手に興奮しだす。
最早士郎の否定する言葉も全て、サムライ精神のなせる業だと受け止め続けられていた。
そんな暴走する親子に、以外にもマルギッテが水を差す。
「中将、そろそろ時間なのですが・・・」
「む?もうそんな時間だったか。仕方ないが引き下がるとしよう。それでは諸君、そして・・・・・・そう言えば、君の名を聞いていなかったね。サムライボーイ。良ければ君の名を教えてくれないかな?」
「・・・・・・士郎です、衛宮士郎」
「――――士郎君か、いい名前だ!それでは真のサムライ、衛宮士郎君。如何か君もクリスの事を頼んだぞ!彼がいるから要らぬ心配だと思うが、クリスよ、何かあればすぐに駆けつけるよ!」
言いたい事を言い終えたのか、フランクは士郎の返事も聞かずに笑みのまま、マルギッテと共に撤収して行った。
そんなある種の台風を見送った士郎は、クリスの爛爛とした視線を受けながら誰にも聞きとられない声音で呟いた。
「なんでさ」
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