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ソードアート・オンライン〜隻腕の大剣使い〜
第34話白骨の処刑獣
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、紙一重の差で・・・オレの負けだ」

「なっ!?」

デュエルはオレの勝ちーーーではなく、負けたと嘘をついた。こうでもしねぇと受けてくんねぇだろ。

「いいだろう、まずは君からだ、ライリュウくん。君に勝ったらキリトくんと勝負でいいかね?」

「あぁ、それで構わねぇよ」

茅場は先にオレの挑戦を受け、オレの麻痺状態を解除し、代わりにキリトを麻痺状態にした。オレは立ち上がりーーー今まで一緒に戦ってきた仲間に目を向ける。

「エギル、今まで剣士クラスのサポートありがとな・・・オレ知ってたぜ?お前が儲けのほとんど全部、中層ゾーンの育成に注ぎ込んでた事」

エギルのあのあこぎな商売は、攻略組の戦力の底上げを狙って、中層ゾーンのプレイヤーを強くするために、他の店より高めの値段で商売してたんだ。少しでもいいから、ゲーム攻略が早く進めるようにーーー

「クライン・・・仮に、仮にな?お前に彼女が出来たらさ、オレの話してやってくれよ。「オレのダチは超強い隻腕の剣士なんだぜ」・・・って感じで」

「・・・テメェ、ライリュウ!何やたら仮にを強調してんだコノヤロォー!彼女出来ても、オメェの話なんかしねぇかんな!オメェ・・・ちょっと整ったツラしてるからって、調子乗んなよ!?」

「乗ってない乗ってない」

クラインはーーーギルドのリーダーとしての顔を見せれば、案外モテなくもないと思うけどなーーーまあ、気さくなムードメーカーのこいつは、嫌いじゃないけどな。

「キリト、アスナさん・・・ユイちゃんの事、ごめん」

「は?」

「どういう事?」

これはヒースクリフが茅場だって分かった事で、謝らないといけないと思った事だ。

「オレがヒースクリフに・・・茅場にユイちゃんの事を教えたから・・・ユイちゃんが消えそうになったんだ。オレが・・・ユイちゃんとの家族の時間を奪ったんだ」

「違う、ライリュウそれは違う!」

「ユイちゃんはわたしとキリトくんを助けるために戦って、カーディナルにエラー扱いされて、それで・・・!」

「いや、オレのせいだ」

茅場は今GMのーーーゲームマスターの権限を用いて、オレ達を麻痺状態にした。オレがユイちゃんの事を伝えたあの時ーーーユイちゃんの存在を抹消する事が出来たかもしれないんだ。もしそうだったらーーーユイちゃんに会わせる顔がない。

「ミラに伝言頼むよ・・・「お前の兄貴になれてよかった」って」

「そんな頼み事受けられるか!自分の口で言え!」

「キリト、兄貴なら分かるだろ?家族に何も言えないまま死ぬなんて・・・悲しすぎんだろ」

オレはこんな事になるとは思わなかった。だから、いつもと変わらない「いってらっしゃい」と、いつもと変わらない「いってきます」で今日ここへ来た。
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