第34話白骨の処刑獣
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「この世界に来てから、ずっと疑問に思っていた事があった。アイツは今どこで俺達を観察し、世界を調整してるんだろうってな。でも俺は、単純な心理を忘れていたよ・・・ライリュウ、分かるか?」
単純な心理ーーーこの世界は元々オンラインゲームとして生み出された世界だ。観察、ゲーム、つまり他人のゲームを見ている状態だ。どんな子供でも知ってる事だーーー
「他人のやってるRPGを傍らから眺めるほどつまらない物はない・・・」
「あぁ・・・そうだろ?茅場晶彦」
ここにいる全員が驚愕の顔になった。ヒースクリフの正体は、オレ達をこのデスゲームに閉じ込めた張本人ーーー茅場晶彦。
「なぜ気付いたのか、参考までに教えてもらえるかな?」
「・・・最初におかしいと思ったのは、デュエルの時だ」
数日前に行われたキリトVSヒースクリフのデュエル。オレはあの日、《オーバーロード》の負荷で寝込んでいて観戦出来なかったけどーーー決着が付きそうだった最後の一瞬、あまりにも動きが速すぎたそうだ。
ヒースクリフが言うにはあの時は自分でも痛恨時だったらしい。キリトの動きに圧倒されて、ついシステムのオーバーアシストを使用してしまった。その一瞬でキリトのヒースクリフに対する違和感を覚えたのかーーー
「確かに私は茅場晶彦だ。付け加えれば、最上階で君達を待つはずだったこのゲームの最終ボスでもある」
やっと正体を認めた。この男はずっとオレ達と一緒に戦って、最上階の第100層でオレ達が倒すべきラスボスになる男だったんだ。
「趣味が良いとは言えないぞ?最強のプレイヤーが一転、最悪のラスボスか・・・」
「中々いいシナリオだろう?最終的に私の前に立つのは君だと予想していた。《二刀流》スキルは全てプレイヤーの中で最大の反応速度を持つ者に与えられ、その者が魔王に対する勇者の役割を担うはずだった」
キリトのユニークスキル《二刀流》ーーーあれはこの世界における魔王の茅場を倒す勇者に与えられるスキルだったのか。茅場は《二刀流》使い倒される事を望んでいたのか?
「・・・俺達を忠誠を・・・希望を・・・よくも、よくも、よくもぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」
ヒースクリフを信じていた《血盟騎士団》の男が、怒りのままに茅場晶彦に斬り掛かるーーーが、茅場のシステムコマンドで麻痺の状態異常にされ、攻撃は不発。さらに茅場はシステムコマンドで他のプレイヤー全員を麻痺状態にした。それはーーー
「うっ!?」
オレも例外じゃなかった。ただ、何も影響を受けていないのはーーーキリトだけ。
「どうするつもりだ?この場で全員殺して隠蔽する気か?」
「まさか、そんな理不尽な真似はしないさ。こうなっては致し方ない・・・私は最終層の《紅玉宮》にて、
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