第34話白骨の処刑獣
[5/9]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
の祝いのファンファーレが鳴り響いたがーーーみんなとても喜べるような状態ではなく、疲れはててその場に倒れこんだ。
「ライリュウ・・・大丈夫か?」
「ちょっと頭痛ェ・・・ウウッ」
キリトから安否確認の声を掛けられた。正直ーーー頭が痛い。《オーバーロード》は脳に強い負荷が掛かるから、普段から発動して慣らす事は出来ないんだよな。家の振り子時計を見つめて短時間、ほんの一瞬だけ使えるようになったけど、やっぱりボス戦で長時間の使用は無理があるな。何気に《グリームアイズ》の時より使用時間長かったしーーー
「・・・何人殺られた?」
ここでクラインが小声で今回のボス戦の犠牲者の人数を聞いてきた。キリトはシステムウィンドウを開き、マップに表示されているプレイヤーの人数を数え始めた。最初に集まった人数と今残っている人数を比較するとーーー
「・・・10人死んだ」
「嘘、だろ・・・?」
死亡者10人ーーーこの言葉にエギルをはじめ、全メンバーが目を見開いた。《オーバーロード》まで使ったのに、そんなに死んだのかーーー
「あと25層もあるんだぜ・・・?」
「本当にオレたちゃあ・・・てっぺんまで辿り着けんのか?」
「正直厳しい・・・」
あと25層ーーーこの先に25のフロアボスが待ち構えていて、そいつらとも戦わなくちゃならないーーーもし《スカルリーパー》より数倍強いボスと戦うとすると、厳しいな。
「キリトくん?」
アスナさんの声が聞こえ、そこを向くとーーー《エリュシデータ》を拾い、ゆっくり立ち上がるキリトがいた。そのキリトは《エリュシデータ》に青いライトエフェクトを灯しーーーヒースクリフを突き刺そうとしていた。
「キリト!?お前、何やってんだ・・・ッ!?」
この瞬間、決してあってはならない現象が起こった。キリトの剣は、盾で防がれていないにもかかわらず、システムの障壁に防がれた。そのシステムの名はーーー
「《破壊不能オブジェクト》!?」
《破壊不能オブジェクト》ーーー街の建物や解放されていないダンジョンの扉、《圏内》ならプレイヤーにも効果を発揮する絶対的防護システム。それが今ヒースクリフにも働いている。
でもここは迷宮区塔のボス部屋、《圏内》じゃない。ダンジョンなどでプレイヤーが《圏内》にいる状態にーーー《破壊不能オブジェクト》になる訳がない。
「システム的不死・・・って、どういう事ですか団長?」
「この男のHPゲージは、どうあろうとイエローまで落ちないよ。システムに保護されているのさ」
システムに保護されたプレイヤー、そんな事あるのか?未来から聞いた話じゃ、ユイちゃんも同じだったらしいけど、それは元々運営に生み出された存在だったからーーー運営?まさか、ヒースクリフはーー
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ