第34話白骨の処刑獣
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。オレ達の見てる範囲にはいないのか?
「上よ!」
ここでアスナさんが天井に張り付いているボスの存在に気付く。
それはまさに怪物であった。皮膚や内臓、筋肉などはなく、身体全体が骨で出来た死神。数える事も気が遠くなる無数の脚、大きな鎌の手、赤い眼を四つ持つ、後頭部が後ろに長く伸びているーーー
「《ザ・スカルリーパー》!?」
白骨の処刑獣だった。その姿を目に写すだけでこの部屋にいる戦士達が恐怖で身を震わせる。それはあの怪物の存在感がそうさせるのだろうか。
「固まるな!距離を取れ!」
一ヶ所に留まっては天井から降りてくるあの怪物に潰されてしまう。ヒースクリフの声は恐怖のあまり耳に届かない。
「こっちだ!」
「走れ!早く逃げろ!」
キリトとオレの呼び掛けにやっと気が付いた二人のプレイヤーは走り出すがーーー天井から降りてきた《スカルリーパー》の鎌で斬り殺される。
たった一撃でHP全損。それは今《スカルリーパー》に葬られた二人が弱い訳ではない。単純に《スカルリーパー》のパワーが強いだけだ。
あの白骨の処刑獣の猛攻は止まらない。まさしく目にも止まらぬ速さで別の集団に急接近し、右の鎌を振るう。その鎌をヒースクリフの《神聖剣》の盾が防ぐ。だが次に振るわれた左の鎌で別のプレイヤーが斬り殺される。
まだまだ猛攻は止まらない。ヒースクリフの横の超スピードで通り過ぎーーーオレ達の頭上をジャンプ。
「まともに近付く事も出来ねえぞ!」
エギルがオレ達の頭上を通過する《スカルリーパー》を見ながら焦りの声をあげる。着地した《スカルリーパー》の標的にされたプレイヤーの前にキリトが割り込み、二刀の剣をクロスして降り下ろされる左の鎌を受け止めるが、攻撃の重みで顔をしかめる。
その隙に右の鎌でキリトを斬り捨てようとするが、《血盟騎士団》の団長が強固な盾で防ぎ、副団長が《ランペンドライト》という名のレイピアで《スカルリーパー》の骨の身体を突く。それにより巨大な白骨の身体は後ろに大きく飛ばされる。どうやらーーー
「二人同時に受ければいける!!」
「らしいな。《黒の剣士》と《閃光》様なら出来るだろうな」
一人でダメなら二人でやればいい。そういう事だ。
「キリト!オレは攻めに行っていいか?」
「あぁ!鎌は俺達が食い止める!みんなは側面から攻撃してくれ!」
あの巨大な鎌はキリトとアスナさん、そしてヒースクリフに任せてオレ達はボスの側面からダメージを入れる。エギルやクライン、そしてさっきまで恐怖で動けなかったプレイヤー達が剣や槍を構えて《スカルリーパー》に向かって走り、突き刺す。その攻撃は少なからず効いている。
「暴れんじゃねぇーーー!」
エギルが叫び、オレや他数人と一緒に突っ込むが、奴には
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