第34話白骨の処刑獣
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「コリドー、オープン」
合言葉を唱えて、出口に設定されたボス部屋の前に通ずる空間の穴を生み出した。
「さあ、行こうか」
ヒースクリフはオレ達に振り向き、出発の合図をあげる。
オレ達は彼の言葉を聞き、空間の穴ーーーボス部屋への通路に足を踏み入れた。
******
通路を抜けたら、薄暗いボス部屋の前の広い場所にいた。ボス部屋の中はおろか、部屋の前ですでに不気味な雰囲気が漂っている。
オレ達は各々アイテムストレージから回復アイテムを取り出しベルトポーチにしまったり、武器の並べ替えなどもしている。オレも《回復ポーション》各種をベルトポーチにしまい、《ドラゴンビート》を最後まで温存するために別の剣を取り出した。
これは《ザ・グリームアイズ》を《オーバーロード》で倒した際に、LAボーナスとして手に入れた《グリームアイズの剣》を装備した。結構しっくりくるし、使えるはずだ。
「準備はいいかな?基本的には《血盟騎士団》が前衛で攻撃を食い止めるので、その間に可能な限り攻撃パターンを読み、柔軟に反撃してほしい。厳しい戦いになるだろうが、諸君の力なら切り抜けられると信じている」
ヒースクリフの説明では、《血盟騎士団》がタンクとしてボスの攻撃を防ぎ、その隙にオレ達が攻撃を叩き込む。ヒースクリフはオレ達なら出来るだろうと信じて、攻撃を任せてくれてるんだ。だったらその期待に最大限応えよう。
「・・・解放の日のために!!」
『うおぉぉぉぉぉぉ!!』
ヒースクリフの掛け声にみんなが気合いのこもった雄叫びをあげる。
扉を開き、武器を構える。それはまさしく戦闘態勢を意味する。
「死ぬなよ?」
「へっ、お前こそ!」
「今日の戦利品で一儲けするまで、くたばる気はねぇぜ・・・」
「この世界全部ぶっ壊すんだ。ここで死んだら男が廃る・・・全力でいくぜ!!」
ここに漢という名の四頭の獣がいる。《二刀流》の《黒の剣士》、赤い甲冑と悪趣味なバンダナを頭に巻く侍、色黒の屈強な斧使い、そしてこのオレ《隻腕のドラゴン》。オレ達は声を掛け合い、気合いを入れる。
目の前の扉は完全に開かれた。退却する気も死ぬ気もない、集団の先頭に立つヒースクリフはーーー
「戦闘開始ィィ!!」
『うおぉぉぉぉぉぉ!!』
突撃の合図を叫ぶ。その声に戦士達は雄叫び、暗く広い部屋に突入する。そして一ヶ所に大きく広がり、ボスの登場を待つ。
暫しの沈黙が流れるーーーボス部屋の扉が大きな音を立て閉門し、その存在が完全に消滅する。前に偵察第を送り込み、そのメンバーの半分がボス部屋に入った数秒後に扉が閉じ、開かなくなったって聞いたけどーーーこの事だったのか。
さて、肝心のボスはーーー出てこないな
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