事故物件
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来たときな」
息を切らせながら、三ノ宮が叫んだ。
「あいつらが全員、ドアから身を乗り出して、あの人を凄い目で睨んでたんだよ!!!」
―――大家逮捕の報は、実家で聞くことになった。
俺の部屋のすぐ下が大家の居室だったが、その部屋からも何体かの死体が発見されたそうだ。
俺は図らずも、前後左右上下のパーフェクト亡霊包囲網の真っただ中で暮らしていたのだ。彼女は自分が殺めた死体を塗りこめた部屋に、無辜の他人を住まわせることに快感を覚えるタイプの複雑な変態さんだったようだ。
大学があるから三ノ宮のところに身を寄せようと思っていたが、無理やり実家に帰された。三ノ宮に。
「仕送りの段ボールから、めっちゃ祈りの気配を感じた。お袋さん、毎朝毎晩仏壇にお前の無事を祈っていたんだ。お前が大した被害を受けなかったのは、そのお陰もある」
親は無意識に子供を守ろうとするから霊的守護になるそうだ。一月は自宅を離れるなと強く釘を刺されている。そして、
お前は絶対に自分で物件を探すな、と。
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