第12話
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〜港湾区・倉庫〜
「はぁ、なんか最近タルいよな。色々と鍛えてみたけど強くなった実感はないし……」
「フン……。まさか今更、街道をうろついてる魔獣に苦戦するとは思わなかったぜ。」
「あー、なんでも最近、魔獣が狂暴化してるらしいよん。以前の2〜3倍は強くなってるんじゃないかってさ。」
エステル達が来る少し前倉庫内でディン達はテーブルで最近の事を話していた。
「なるほど、そういうことか。……仕方ねえ。久々に街に繰り出すとするか。どうだ、北区の『ラヴァンタル』に行かねえか?」
「あー、2階のカジノが新装オープンしたところか。いいねぇ、色っぽいディーラーの姉ちゃんもいるらしいし。へへっ、あわよくばお触りなんかしちゃったりして。」
「それだ!カルナの姐御も留守みたいだし少しくらい羽目を外してもいいだろ。」
ロッコ達が騒いでいたその時
「……何が構わないってんだ?」
アガットとエステルが倉庫に入って来た。
「ア、アガットさん!?」
「……げっ…………」
アガットを見たディンは焦り、ロッコは顔を顰めた。
「まったく、てめえらは……。ちったあマシになったと思えばすぐにタルみやがって……」
「や、やだな〜。ただの冗談ですってば。って、そこにいるのは……」
睨みながら呆れている様子のアガットを見て焦ったディンだったが、隣にいるエステルに気付いた。
「新人遊撃士のエステルちゃんじゃん!?」
「ども、久しぶりね。武術大会で戦って以来かな。」
「あー、そうだな。」
エステルに気付いたレイスははしゃぎ、エステルに挨拶をされたロッコは頭をボリボリかきながら答えた。
「いや〜、俺たちあれから決勝戦まで観戦したんだけど。マジ凄かったよ。あんたのこと惚れ直したもん♪」
「あはは……ありがと。でね、今日訪ねたのはギルドの用事でなんだけど……。えっと、あなたたちの中で『白い影』を見た人っている?」
レイスの言葉に苦笑したエステルはロッコ達に尋ねた。
「それって……」
「……だよなぁ。」
エステルの言葉を聞くと3人は顔を見合わせて頷いた。
「あ、やっぱり知ってるんだ。」
「だったら、とっとと知ってることを話しやがれ。手間を取らせるんじゃねえぞ。」
「……ちょっと待てや。アンタ、少し調子に乗りすぎなんじゃねえのか?」
アガットの物言いに頭に来たロッコは言い返した。
「……あ?」
反抗して来たロッコを見てアガットは意外そうな表情をした。
「うざいんスよ、アンタ。勝手にチームを抜けて遊撃士なんかになったクセに。都合のいい時だけ話を聞かせろっていうわけか?ふざけんなって感じなんだよな。」
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