第12話
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ないで…………………しばらくこのまま……抱きしめさせてくださいね。」
そしてエステルは少しの間、テレサの胸の中で声を押し殺して泣いた。
その後泣き止んだエステルはミント達と共に孤児院の中に入った。
「はあ……恥ずかしいな。せっかく正遊撃士になった姿を見てもらうつもりだったのに……」
「ふふ、そういえば正遊撃士になったんですね。おめでとう、エステルさん。」
「いや、あはは……。ホントまだまだ新米だけど。あ、そういえば……。ミント、あなたもテレサ先生に報告する事があるでしょ?」
テレサに褒められたエステルは恥ずかしそうに笑った後、ミントを促した。
「うん!みてみて、先生!ミント、準遊撃士になったんだよ!」
エステルに促されたミントははしゃぎながら、遊撃士の手帳と準遊撃士の紋章をテレサに見せた。
「まあ…………!おめでとう、ミント。」
ミントが遊撃士になった事に驚いたテレサだったが、すぐに微笑んでミントを祝福した。
「えへへ………ツーヤちゃんもプリネさんの騎士になるために一杯頑張るって言ってたよ!それにミント、お祖父ちゃんとお祖母ちゃんができたよ!」
「そう………それはよかったわね。…………フフ、少しみない間に成長したわね。」
はしゃぎながら自分の事を話すミントを見て、テレサは微笑みながら答えた。
「本当!?ミント、成長しているんだ………!」
「ふふ、ミントったらはしゃぎすぎよ。…………そういえば……。先生、さっきクローゼが悩んでたって言ってませんでした?」
ミントの様子を微笑ましく見ていたエステルだったが、ある事を思い出してテレサに尋ねた。
「ええ、エステルさんとヨシュアさんのことでね。大切な人たちが苦しんでいるのに力になることができない……。それは、多分あの子にとって一番つらいことなのでしょう。」
「大切な人……。えへへ、申しわけないけど何だかちょっと嬉しいかも……。早くクローゼにも会わなくちゃ。」
「賛成〜!ミントもクロ―ゼさんに早く会いたい!」
「確か今、学園は試験期間ですから中に入れないかもしれませんが……。もうすぐ終わりのはずですし、すぐに会えると思いますよ。」
「うん、わかりました。それにしても……あの子たち、遅いですねぇ。日曜学校の授業ってそんなに長くないはずですよね。」
テレサの言葉に頷いたエステルだったが、中々帰って来ないクラム達に首を傾げた。
「ひょっとしたら、授業が終わった後、村で遊んでいるのかもしれませんね。新しく来られた巡回神父の方が子供好きでいらっしゃるそうですから。」
「新しく来た巡回神父……(あれ……何だか引っかかるような?)」
テレサの話を聞き、エステルはある言
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