外伝〜祝賀会の夜〜後篇
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に背を向けた状態で横に並んで尋ねた。
「それで……ヨシュアさん、何を悩んでいるんですか?」
「えっ……!?」
クローゼに心の奥底に秘めていた事を指摘されたヨシュアは驚いてクローゼを見つめた。
「ふふ……そのぐらいわかりますよ。私、勘は良い方ですし、さっきも………取材を受けている間もヨシュアさんのことはずっと見てたんですから。」
「……えっと。さすがにそれは照れるんだけど……」
「あ、あはは………」
ヨシュアの言葉を聞いたクローゼは苦笑していたがすぐに気を取り直して話を再開した。
「……ヨシュアさん、何か隠してますよね。また一人で何かしようとか考えてませんか?」
「………はあ、ホント鋭いなぁ………姉さんやレーヴェにも気づかれなかったのに…………………エステルも時々そうだけど……」
「ふふっ、女の子ですから。それにカリンさんも内心気付いていると思いますよ?ヨシュアさんのお姉さんなんですから。……さあ、観念して白状してください。」
「……悩みって言うほどのことじゃないんだけどね……僕は……そうだな、来月までにはリベールを離れようと思っているんだ。」
「えっ……!?ど、どうして……ですか?もう平和になったのに……」
ヨシュアが口にした予想外の話に驚いたクローゼは戸惑いの表情でヨシュアを見つめた。
「うん、平和になったからね。”結社”もリベールからは完全に手を引いたみたいだし、各地の復興も順調だ。……だから、旅に出ようと思うんだ。
僕は……今では自分のことを一人の人間として考えられる。もう壊れた人形じゃない。エステルが、みんながそう望んでくれたから……
だけど、人間になってしまうと今度は心が痛むんだ。僕はこれまでに目を覆いたくなるような罪をたくさん犯してきたから。」
「……あ………」
ヨシュアの話を聞いたクローゼはヨシュアの過去――”漆黒の牙”として多くの人々の命を奪い続けていたヨシュアの過去の話を思い出して声を上げた。
「……だから、その償いをするために。そして本当の意味で強くなるために。僕はこれから、大陸各地を回ろうと思うんだ。」
「そう、だったんですか………でもそれでは、エステルさんとは………」
「うん、しばらくは……いや、かなり長い間、会えなくなってしまうと思う。……だからエステルにどう伝えらればいいのか迷ってて……」
「………はあ。ヨシュアさんも……相変わらずですね。」
考え込んでいるヨシュアにクローゼは呆れた表情で溜息を吐いて指摘した。
「え……?」
「……そんなの、自分の言葉で伝えるしかないじゃないですか。エステルさんのことを信じているなら、打ち明けて下さい。どんな言葉でもいいんです
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