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英雄伝説〜運命が改変された少年の行く道〜(閃T篇)
第116話
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アルバレアのご子息殿。食が進んでおらぬようだが。」

一方食事を堪能しているリィン達とは逆に、ほとんど食事に手をつけていないユーシスに気付いたアルゼイド子爵はユーシスに問いかけた。



「いえ……その、実家がこちらに迷惑をかけていると聞きまして。」

「ユーシス……」

「……それは……」

複雑そうな表情で答えたユーシスの話を聞いたリィンは心配そうな表情をし、ラウラは言葉を濁し

「フフ、よくあるいざこざだ。税を巡っての揉め事など所詮、毎年のように起きるもの。そなたが気に病むことはない。」

「……感謝します。」

アルゼイド子爵の優しい心遣いに感謝したユーシスは食事を再開した。



「それより、どうやら昼間、クラウスと仕合ったそうだな?それも勝利を収めたとか。」

「はい……手を抜かれた気もしますが。」

「フフ、とんでもない。ご学友共々、若々しき獅子のごとき気合いでした。先が楽しみでございますな。」

アルゼイド子爵に尋ねられて答えたラウラの話を聞いたクラウスは微笑みながらアルゼイド子爵に報告した。



「ハハ、そうか。私としては、帝都の女学院に行って欲しかったところだが。良き友にも巡り合えたようだし、これも女神の導きであろう。」

「………私もそう思います。」

「ラウラさん……」

「女学院ってリィンとエリゼの妹――――エリスみたいな女の子がいる所でしょ?大剣を振り回しているラウラが女学院なんて、似合わないと思うけど。」

「エ、エヴリーヌさん。」

「フフ、耳が痛いな。」

エヴリーヌの指摘を聞いたセレーネは冷や汗をかき、ラウラは苦笑しながら答えた。



「……………………」

「ふむ……―――リィンといったか。どうやら、そなたの剣には”(おそ)れ”があるようだな。」

「え―――」

「父上……?」

アルゼイド子爵の指摘にリィンは呆け、ラウラは不思議そうな表情をした。



「”剣仙”ユン・カーファイ殿。そなたの師にして、”八葉一刀流”を開いたあの御老人とは面識があってな。そちらのセリカ殿のように何度か手合わせを願ったこともあるくらいだ。」

「……何度も挑まれて、正直迷惑だったがな。」

「ご、ご主人様。」

アルゼイド子爵の話に続くように呟いたセリカの言葉を聞いたシュリは冷や汗をかき

「そうだったんですか……その、失礼ですが勝敗の方はどちらに?」

リィンは驚いた後尋ねた。



「いや、決着はつかなかった。互いの理合いが心地よくて存分に斬り結んでいたらいつも時間が過ぎてしまう。」

「父上と互角……カシウス卿やエステル殿、そしてセリカ殿のように武の世界は広いのです
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