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英雄伝説〜運命が改変された少年の行く道〜(閃T篇)
外伝〜動き始める意志〜後篇
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真夜中の自然公園にギデオンが静かに誰かを待っていた。
「……………………――来たか。」
「よう、”G”の旦那。」
「ウフフ、早いわね。」
足音に気付いたギデオンが視線を向けると大男と焦眼の女性が近づいてきた。
「同志”V”、それに”S”。そちらの準備も万事、整ったようだな。」
「ええ、滞りなくね。もっとも今回の主役はやっぱり貴方なのでしょうけど。」
「まさかアンタがクロスベル行きを志願するたぁな。”赤い星座”のことを考えると俺が行った方が良かっただろうに。」
「いや―――私は”笛”を失い、片腕までも失った。クロスベルでの作戦が捨石となる可能性を考えたら私が行くのは合理的なはずだ。我らの目的を達成するためにもな。」
大男の話を聞いたギデオンは決意の表情で答えた。
「あんた……」
「……まったく。生真面目すぎるでしょう。」
「フッ……君達も似たようなものだろう。そうでなければ、こんな闘争にわざわざ身を投じてはいまい。」
それぞれの想いを抱えて自分を見つめる二人を見たギデオンは静かな笑みを浮かべて答えた。
「フフ、そうね。」
「クク、違いねぇ。」
「―――揃っているようだな。」
ギデオンの言葉に二人が苦笑していると”C”が3人に近づいてきた。
「同志”C”。」
「来たわね、リーダー。」
「これで全員揃ったかよ。」
「同志たちよ、よくぞ集まった。既に我らは走り出し止まる事も、顧みる事もない。求めるのは”結果”のみだ。」
「同意する。」
「異議ナシね。」
「言わずもがなだぜ。」
”C”の言葉に3人はそれぞれ静かに頷いた。
「その上で、あえて聞こう。―――同志”G”。本当にいいのだな?」
「フッ……私の思想と理念は”解放戦線”に息づいている。ならば、たとえクロスベルでこの身が果てようとも構わない。あの男がもたらすであろう恐るべき
反理想社会
(
ディストピア
)
の到来……誰かが食い止められれば我らの勝利となるのだから……!」
”C”の確認にギデオンは静かな笑みを浮かべた後決意の表情で語った。
「……わかった。女神の―――いや、悪魔の加護を。事が成ったら、4人で祝杯を上げるとしよう。願わくば帝都ヘイムダルでな。」
「ああ……!」
”C”の言葉に頷いたギデオンは歩いて”C”達に背を向けてヘルメットを被り
「さらばだ―――同志たちよ。」
”C”達に永遠の別れの言葉を告げてその場から去って行った。
「本当に……不器用な男ね。」
「正義に殉じて立場を追われ、果てなき闘争に身を投じるか……とても真似できねぇな。
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