外伝〜動き出す陰謀、漆黒の決意〜 (序章終了)
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たから、きっと姉さんと気が合ったんだろうな………姉さんが生きていた頃に、ぜひ会ってほしかったよ………」
少年は墓前でかつての旅の仲間であったある少女の話を話していた。
「お、おーい……。どこ行っちゃったのさぁ!?」
その時、少女の声が聞こえて来た。そして少女は同行者の兄達を連れて、少年を見つけた。
「よかった……ここにいたんだ。」
少女――ジョゼットが少年を見つけて安堵の溜息を吐いた。
「もう、ビックリさせないでよ!1人でさっさと奥に行くんだもん。」
「ふう……どうして来たんだ。個人的な用事だから付き合う必要はないと言ったはずだよ。」
ジョゼットの言葉を聞いた少年――ヨシュアが冷たい口調で言った。
「か、可愛くないヤツ!人がせっかく心配して探しに来てやったのにさ!」
ヨシュアの言葉を聞いたジョゼットは頬を膨らませて怒った。
「それにこの有様は興味を持つなって方が無理さ。見たところ、廃墟になったのはここ10年くらいの間みたいだな。」
「俺たちは3年前まで北部の領地に住んでいたが……。南部が廃村になったなんて今まで聞いたことがなかったぞ。何ていう名前の村だったんだ?」
そしてジョゼットの兄達――キールとドルンは周囲の風景の事について尋ねた。
「………………………………。……『ハーメル』。かつてそう呼ばれていた村さ。」
キール達の疑問にヨシュアはしばらく言うのを戸惑ったが、ジョゼット達に背中を向けて言った。
「ハーメル……。聞いたことのない名前かも。キール兄、知ってる?」
「いや……。俺も聞いたことがないな。兄貴はどうだい?」
ジョゼットとキールは村の名前に首を傾げた後、ドルンを見た。
「んー、待てよ……。かなり前に、帝国政府から何かの通達があったような……。……駄目だ、思い出せねえ。」
「なんだよ〜、それ。」
肝心な事を覚えていないドルンを見て、ジョゼットは呆れて溜息を吐いた。そしてヨシュアはジョゼット達に振り向いて言った。
「……僕の用事は終わりだ。貴方たちには関係ないのに付き合わせて済まなかったね。」
「別にそれはいいんだけどさ……。アンタ、最初に会った時と態度が違いすぎるんじゃない?ボクたちを舐めてるわけ?」
ジョゼットは以前のヨシュアの態度を思い出し、ヨシュアを睨みながら尋ねた。
「……君にそんなことを言われる筋合いはないな。最初に会った時、ずいぶん堂に入った演技をしてくれたじゃないか。僕の態度もそれと同じさ。」
「うっ……。そ、それじゃあそれがアンタの本性ってわけかよ!?」
図星をつかれたジョゼットは叫びながらヨシュアに尋ねた。
「ふう……何だか知らんが色々と事情があるみたいだ
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