第8話
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」
グラッツとカルナの感想を聞いたアネラス達は頬を膨らませて文句を言った。
「まあ、それが狙いだからね。ちなみに言っておくが……本物の猟兵はこんなに甘くないぞ。」
「うっ……」
「「あう……」」
しかしクルツの言葉を聞いたエステル達は気不味そうな表情をして何も言えなくなった。
「リベールでは猟兵団の運用は禁止されているからあまり想像できないだろうけど……。他の国じゃ、遊撃士協会と猟兵団の対立は日常茶飯事なのさ。自然と、遊撃士たちも危機的状況に備える者が多い。」
「だから、リベールの遊撃士にも一度は危機的状況を体験して欲しい。そんな親心の現れだと思ってくれや。」
「はあ……ずるいなぁ。そんな風に言われたら文句言いたくても言えないわよ。」
「うんうん、ずるいよね」。
「そうだよ〜。ミント達のためって言われたら何も言えないよ〜。」
グラッツとカルナの話を聞いたエステル達は溜息を吐いた後、納得した。
「あらあら。もう終わっちゃったのかしら?」
そして扉の奥からフィリスが出て来た。
「あ、管理人さん!」
「む〜、管理人さんもグルだったんですね?」
「ひどいよ〜!」
「あん、グルなんて言わないで。お芝居っていうから私も一生懸命、台詞を覚えたのよ?うふふ、迫真の演技だったでしょ♪」
驚いているエステル達にフィリスは悪びれも無く呑気に言った。
「えーえー。完全に騙されましたとも」
「はっはっはっ。3人ともお疲れさん!」
そして整備士のロベルトもエステル達の後ろから現れた。
「あ〜、嘘つきな人だ。」
「結局のところ、全員がグルだったわけね。あ、それじゃあ、宿舎の通信器って……」
ミントの言葉に頷いたエステルは溜息を吐いた後、宿舎を調べた際、壊されていた通信器の事を思い出した。
「うん、あれはジャンクパーツさ。本物の通信器は、別の場所に保管してあるから心配いらないよ。本当は、僕も最後まで人質として出てこない予定だったけど……君たちが、新型オーブメントをどう使いこなすか知りたかったからあのタイミングで現れたってわけさ。」
「まったくもう……。みんな用意周到すぎですよ。でも、結局のところ騙された私たちの負けかなぁ?」
「うーん、悔しいけどそうかも。落ち着いて考えれば不自然な所はかなりあったし……。まだまだ修行が足りないなぁ。」
「ミント、一杯勉強したのに…………」
「ふふ、そう落ち込むことはない。グラッツも言っていたが、今回は君たちの実力を試すよりも危機的状況を体験して欲しかった。そういう意味で演習は大成功だ。」
落ち込んでいるエステル達をクルツは励ました後、表情を戻してアネラス達の名
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